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- 2017/3/20 22:45
- 第19話:つれてって(340)
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- ジャックが鋭く
「だが・・・。おまえはもう何がどうなっても構わないはずじゃなかったのか?」
と、グレアムに問いかけると、
「フランクファーターはいやだ!」
駄々っ子のようにグレアムはまた叫んだ。
ジャックが監察するようにグレアムを見つめる。
グレアムはグレアムで自分が吐露してしまった感情に戸惑っていた。
「どうしても? グレアム。」
ジャックの静かな視線にグレアムは冷静を取り戻して考えはじめる。
「何故?」
ジャックがまた訊ねた。
雪の降る中、グレアムはその理由を考え続ける。
「グレアム?」
ジャックが優しく呼びかけた。
グレアムは小さな子供が泣くのをこらえているような辛い顔で
「フランクファーターはいやだ・・・。」
と、静かに答える。
ジャックは愛おしそうにグレアムを見つめると
「・・・おまえが彼のやり方を否定したいというなら・・・約束する! 万が一、起訴されるような事になっても彼にはたのまないよ。」
と、告げた。
そして、
「だから家へお帰りグレアム。病院には私が残るから。」
と、帰る事を促す。
「でも!」
グレアムはまだ納得しなかった。
「帰るんだ! もういいと言ってるだろう!!」
ジャックはとうとう怒鳴りつける。
「それともおまえは病院で彼の容体を見ているよりも家でみんながおまえを心配するのを見ている方が辛いからと帰らない為の口実がいるとでもいうのか?」
グレアムは悔しそうに眉をしかめ口を曲げた。
さらにジャックは
「これ以上・・・誰にも迷惑かけたくないか?」
「みんながおまえをどう扱えばいいのかと気遣わなければならなくなるのが気の毒か?」
と、また問いかける。
「勿論、おまえにはおまえなりの気持ちがあるだろう。」
「だが、我々にもあるんだ!」
「そして今はおまえの気持ちが問題なんじゃない。」
と、語りかける。
「おまえが自分自身をもっと大切に扱ってくれる方が、みんなよほど喜ぶだろうに・・・」
そう言ってジャックはグレアムの頭を優しく撫でた。
- ジャックが鋭く