ひよこびんさんとモバ友になろう!
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- 2014/5/16 11:29
- 未来はきっと⑦~幕恋
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なんで、あたし気がつかなかったんだろう。
後輩の彼も、おばあちゃんも、あたしの…。
そう、あたしと慎ちゃんの…。
そして、あのスカーフ。
時を越えて、あたしに教えてくれたんだ。
猫のキーホルダーは、まだ光っている。
一刻も早く、慎ちゃんの所へ行かなくちゃ。
このまま、残って平穏な日々を過ごすこともできた。
でも、大好きな人のそばにいて、
その人の支えになりたいの。
あたし、自分で決めたんだから後悔なんかしないよ。
駅に到着すると、あたしは真っ先に神社へ向かう。
待ってて、慎ちゃん。
今、行くから。
あたしは神社の階段をかけ上がる。
キーホルダーを握りしめる。
そのまま、しめ縄を揺らした。
とたんに足下がぐらつく。
目の前が眩しい光りに包まれる。
…あ、この感覚だ。
カラダが宙に浮いてるような。
自分自身が光りの一部にでもなったみたいな。
少しずつ、何かが見えてきた。
風がふいている。
ちょっと空気が冷たい。
あれは…。
ずっと、ずっと探していた人の後ろ姿が見える。
あたしの大好きな人…。
周りを複数の男の人に囲まれている。
慎ちゃんは丸腰で、相手を睨みつけている。
その時、一人の男の人が刀をふり下ろそうとした。
「慎ちゃん!!これっ!!」
あたしは持っていた日本刀を力いっぱい投げた。
「姉さん?!なんでここに…?!」
驚きながらも慎ちゃんがしっかり
受け取ったのがわかった。
つぎの瞬間、
キィィン!!
日本刀がキレイな線をえがく。
相手の刀が宙を舞う。
あたしは、ただ慎ちゃんの動きに見とれていた。
すると、2、3人の男の人があたしの方を見て
にやりと笑った。
背筋が凍りつくような笑顔だ。
その人達がこちらに近づいてこようとする。
やばい!来る!
「おまえらっ!!」
慎ちゃんが叫ぶ。
男の人達がびくっとする。
その声だけで、相手を威嚇しているのが分かる。
「そこを動くな!!」
まるで別人のような雰囲気。
「動いたやつから斬るっ!!」
慎ちゃんの気迫に押され、何人かが後退りする。
月明かりに照らされて
慎ちゃんの持っている日本刀が光る。
男の人達が一斉に斬りかかってきた。
キィィン!
キィンキィィン!
何度も刀同士がぶつかる音がする。
それは、あたしが瞬きをするくらいの一瞬の出来事だった。
斬りかかってきた男の人達の間を
慎ちゃんがすり抜ける。
つづく