ひよこびんさんとモバ友になろう!
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- 2014/5/16 11:21
- 未来はきっと⑤~幕恋
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明日は日曜日。
部活は自主トレの日になっていた。
自主トレって、結局やすみってことなんだけどね。
カラダが鈍ると困るから、朝のランニングは欠かせない。
次の日の朝早く、あたしはランニングウェアに着替える。
少しひんやりした風を感じながら家を出た。
呼吸と走るスピードに気をつけながら、
自分のペースを乱さない。
うん、いい感触。
向こうにいたおかげで、体力がついたのかなぁ?
しばらく走っていると、
向こうから走ってきた人と目が合う。
あ、あの新入生だ。
向こうも気づいたみたい。
「あ!先輩!おはようございますっ!」
彼は嬉しそうに手を振りながら走ってきた。
「おはよう!一人で走ってたの?」
「はいっ!日曜日に先輩に会えるなんて…、
あ、いや…!」
「?」
せっかくだからって、あたし達は一緒に走ることにした。
走りながら、あたしはチラッと彼を見る。
それなりに距離を走っているけど、弱音を吐かない。
あたしは彼に尋ねる。
「速いペースだけど大丈夫?」
「はいっ、平気です!」
真面目なんだな。
「先輩、おれの家すぐそこなんですよ」
「へぇ、そうなんだ」
「すこし休憩していきませんか?水分もとらないと」
「そうね…。ちょっとだけ、いいかな?」
あたしはお言葉に甘えて、
彼の家にあがらせてもらうことにした。
「おじゃまします」
彼に続いて玄関をあがると、
目の前におばあちゃんが立っていた。
小さくて可愛いおばあちゃんだ。
「あら、あらら」
おばあちゃんが目をまるくしている。
「あ、おはようございます。わたし、同じ部活の…」
あたしは慌て挨拶する。
すると、おばあちゃんが笑顔になって言った。
「あなた達、そっくりねぇ。まるで双子みたいよ」
「えっ?」
そっくり?
彼とあたしが?
「よく見たら、可愛いお嬢さんじゃない」
「ばぁちゃん、麦茶か何かない?」
「まぁ、のどが渇いてるのね。いま持っていくから」
つづく