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- 2010/9/23 22:49
- 続『特技』
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- そんなわけで、僕はクラスの学園祭の実行委員であり、陸上部のエースでもある春日に嫌々ながらも相談していたのだった。
春日 葵。
スポーティーで短めの肩で切り揃えられた髪に、日頃の部活動で焼けた肌。その焼けた肌は彼女の健康的な面をわかりやく表現していた。
あとあまり関係はないが、春日は『ハルヒ』と読むのではなく『カスガ』と読む。
なんだか凄く残念な名字だ。
もっとかわいらしかったら良かったのに。
「スットコドッコイって言い回し古くないか。それ死語だろ」
僕は思ったことを口にした。
すると、春日は眉間にしわを寄せて確実にイライラしている表情を見せてきた。
見せてきた、という表現をとらざる終えなくなったのは春日があからさまにこちらを睨んできたというのも含まれているからだ。
「問題はそこじゃない!」
「そこじゃないって、じゃあどこだよ」
「どこもなにも、お前、普通に考えてみろよ。考えろ考えたか考えれたんだそうだお前は考えた。で、どこがおかしいか一文字一句間違えずにハキハキと簡潔に答えろ」
おかしいって、僕別になにもおかしくないじゃないか。
むしろ話題の種になりそうな話をこっちから振ってやったのだから感謝されてもいいぐらいだ。
でも答えないとうるさいし、適当に答えとくか。
「僕が楓に変な気をつかってやるのがおかしいのか?」
「……なあ、前々から思ってたけどさ、今口にしとくわ」
「ん、なんだ」
「はじめ、お前バカだろ」
聞くにたえない失礼な発言だった。
「バカって親にも言われたこと……あるな、けっこう」
「別に知りたくなかった!」
いやあノリがいいなあ、春日。
「ああもう!お前といるとこっちのペースがおかしくなってくる!」
「ペースが乱れるのは良くないな。仮にも陸上部なんだしさ、もっとペース配分考えて走らないとばてるだろ」
「帰宅部のお前にそんな専門的なこと心配されたくない。ていうか、今は走ることなんて無茶苦茶どうでもいい」
走るのがどうでもいいだなんて。今のは問題発言だぞ、春日。
「大切なのはなんでクラスの学園祭での出し物を決める話から、楓のまわりをうろついてる悪い虫を追っ払う話になるかってことだろ」
悪い虫、か。あながち間違いではないな。
しかも、ヤツの企みを本当の意味で知っているのは僕しかいない。
- そんなわけで、僕はクラスの学園祭の実行委員であり、陸上部のエースでもある春日に嫌々ながらも相談していたのだった。