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- 2012/5/1 1:49
- 映画レビュー【別離】
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- 4月30日
KBCシネマ1にて鑑賞
【別離】
★★★★★
以前予告編をみた時に、これは観たいと思っていたら、いつの間にかアカデミー外国語映画賞をとっていた。
結果的に、アカデミー賞云々抜きにして、すごかったのだが。
重い…
まず、題材が重い。
タイトル通り、いきなり離婚協議の場面から始まり、アルツハイマーの父の介護、雇ったメイドの事故、訴訟裁判へと泥沼化していく展開。
これだけを見れば、何処にでもあり得る内容にも映る。
しかしもうひとつ、そこにベースとして描かれるのはイランという国。
宗教。
格差社会(家庭、男女)。
国家体制。
それら、得体の知れぬ重さが加担してくるから厄介なのだ。
登場人物はそれぞれの立場で、時には保身の為、時には相手の為、時には神の教えの為に言動し行動していく。
皆、間違いではなく、立場の違いを背負っている訳で、悪い奴がいるのではない。
そのひとつひとつを事細かに捉え見せつけるリアリティさ。
単なる離婚に向けての家庭ドラマに終わらず、事件の行方を交える事により、画面から目が離せない状況に陥る。
脚本の秀逸さ、面白さが存在しているのは確か。
しかし、一番印象に残るのは子供だった。
度々映し出される、眼鏡の奥の眼光。
事の成り行きをしっかり見届ける眼差し。
純粋な涙。
妻のある言葉に、はっとさせられる夫、そして自分自身がそこにいた。
※明るい映画、エンタメ派、満たされている方には響かないのかもしれません。
でも、観る価値はあると思います。
心して観る必要のある映画だということは間違いありませんが。
- 4月30日