ありとさんとモバ友になろう!
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- 2015/1/10 15:33
- 201412-オリバー20
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- その横顔を見ながら、俺は養護施設で見た生誕劇の女神様を思い出す。
(姫ちゃんこそ、生誕劇の女神様みたいだ……)
そう思いながら、姫ちゃんに顔を寄せる。
そしてキスを交わし、俺たちはクリスマスイヴから少しだけ遅れた、甘い聖夜を過ごした。
翌朝。
俺が目を覚ますと、姫ちゃんはまだ隣でスヤスヤと眠っていた。
その寝顔には、まだどこかあどけなさがのこっている。
(寝てるときは女神様っていうより、天使だなあ)
そんなことを思いながら姫ちゃんを見つめていると、俺の視線を感じたのか、姫ちゃんがパチリと目を開けた。
オリバー「おはよ、姫ちゃん」
姫「お、おはよう……」
すると、俺の顔を見た途端、姫ちゃんはモジモジして布団にくるまっている。
(もしかして……恥ずかしいの?)
布団から少しだけ見える姫ちゃんの耳が、ピンク色になっていた。
(そんなふうにされたら、俺まで照れちゃうじゃん……!)
オリバー「そんなにもじもじしないでよ、可愛い過ぎるから」
俺はそう言うと、布団に潜り込んだままの姫ちゃんを後ろから抱きしめる。
ビクッとする姫ちゃんの反応も、何もかもが愛おしかった。
オリバー「姫ちゃん、こっち向いて?」
姫ちゃんが振り向くと、照れたような笑みが目に飛び込んでくる。
オリバー「その幸せそうな顔を見てると、俺も幸せになっちゃう」
姫「それは私もです。オリバー王子の幸せそうな顔を見てるから私、今すごく幸せです」
オリバー「ええ~、じゃあそれを見てる俺はもっと幸せ!」
姫「じゃあ私はもっと……って、なんで張り合うんですか~!」
くるくる表情を変えながら笑う姫ちゃんに、俺は胸が温かいものでいっぱいになるのを感じる。
(ああもう、本当に可愛い……)
と、そんなことを思っていたが、ハッとあることを思い出す。
(いけない、忘れるところだった)
俺は急いでクローゼットに向かい、姫ちゃんから見えないように髪飾りを取り出す。
それは、天使の衣装を作っていたとき、同じ布で姫ちゃんのために作ったものだった。
オリバー「じゃんっ!」
パッと姫ちゃんの前にそれを差し出すと、姫ちゃんは本当に感動してくれたようだった。
うっすらと目に涙を浮かべたその笑顔に、俺はジンと胸が熱くなる。
オリバー「う~ん、やっぱり俺、姫ちゃんのサンタにはなれないな」
姫「えっ、どうしてですか?」
- その横顔を見ながら、俺は養護施設で見た生誕劇の女神様を思い出す。