ありとさんとモバ友になろう!
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- 2015/1/10 15:30
- 201412-オリバー19
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- 俺は心の中で、協力してくれたウェルナーや使用人たちに、最大の感謝を贈った。
しばらくイルミネーションを見つめたあと、姫ちゃんは、『実は』と話を切り出した。
姫「私も……オリバー王子がいなかった間に準備したものがあるんです。シチューの残りで作ったただのパイシチューなんですけど……」
オリバー「えっ……」
姫ちゃんの言葉に、俺は驚く。
(つまり、さっきの時間は、お互いにお互いを喜ばすために準備したってことじゃん……)
そう思うと、胸がホッと温かくなるのを感じた。
オリバー「じゃあそれ、このガゼボの中で食べようよ!」
姫「あ、それステキです!」
俺たちはいったん城へ戻り、椅子とパイシチューを持ってくると、ガゼボの中に入り込んだ。寒い冬空の下で頬張るアツアツのパイシチューは、とてつもなく美味しかった。
そのあまりの美味しさに、自然と顔がほころんでしまう。
オリバー「すっごく美味しい……!」
素直に感想を言うと、姫ちゃんも笑顔を返してくれる。
それは、とても幸せそうな笑顔だ。
(……これが本当の笑顔の連鎖なんだ)
ふと、そんなことを思い、俺は幸せを噛み締めるようにパイシチューを頬張った。
しばらくして、俺はガゼボのイルミネーションを眺めながら、あることを思い出した。
(そういえば、あの時の公園のガゼボ。あそこで姫ちゃん、オーナメント書いてたっけ……)
今まで忙しさのせいで忘れていたが、思い出すと急に気になってくる。
オリバー「姫ちゃん、この前、オーナメントになんて書いたの?」
姫「えっ!?」
オリバー「そうだ! 今から見に行こうか!」
姫「え! ちょっと待ってください!」
驚く姫ちゃんが可愛くて、冗談のつもりで立ち上がる。
が、そんな俺に、姫ちゃんは顔を真っ赤にしてしがみついてきた。
姫「み、見てたんですか!?」
その様子があまりに必死で、そしていじらしく見えて、俺は自分の鼓動が早くなっていくのを感じる。
(本当にもう……姫ちゃんは、どうしてこんなに可愛い反応をするんだろ……)
俺は観念して、フッと小さく笑う。
オリバー「カードも気になるけど、そんなにしがみつかれたら、カードどころじゃなくなっちゃうじゃん……」
俺は姫ちゃんの手を取ると、そのまま城に戻ることにした。
並んでソファに座ると、姫ちゃんは何かに思いを馳せているようで、優しく微笑んでいた。
- 俺は心の中で、協力してくれたウェルナーや使用人たちに、最大の感謝を贈った。