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- 2014/10/4 19:51
- 「バナナフィッシュにうってつけの日」
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- なんて綺麗な青い空なんだ
雲ひとつなく、澄み切っている
私は結婚してから初めて1人での家出中だった。
家出に至る迄、色々とあったのだが、今、ここでは語らない事にする。
しかし、主婦が1人で、
しかも、車を使う事は禁止され、
こんな田舎で行く場所もなく、
仕方が無いので図書館に歩いて行くことにした。
さすが田舎。
図書館へ行くにも徒歩だと1時間弱は掛かる。
全く嫌味な程に晴れ渡った空である。
こんな時はそうだ、あれを思い出す。
「バナナフィッシュにうってつけの日」
J.Dサリンジャーの作品だ。
主人公、シーモア・グラースとその妻がフロリダへハネムーンに出かけた時の話。
ストーリーはビーチで過ごすシーモアの一日を追っており、
はじめに彼の妻ミュリエルとその母の、その後にシーモアと友人の娘シビルとのたわいもない会話が続く。
その日の夜、シーモアは突然拳銃をこめかみに当て引き金を引く…
といった内容。
最近は読むと疲れると倦厭していたサリンジャーを思い出すなんて相当参っているのかな。
私は色々な事があり、ナーバスになっていたし、
なのに、空はこんなにも青いし、
何より、彼女の命日も近づいていた。
彼女はハロウィンに自らの人生に幕を下ろした。
きっと彼女もこのシーモアの様にうってつけの日だと思ったのだろうか。
このハロウィンって日が引っかかる…
まあ、彼女にとってはそんな事は全く意識していなかったかもしれないが……
その後、図書館の隣のちょっとした芝生のある広場で座りながらウトウトして、
図書館で本を読むふりをしながらウトウトして、
結婚後 初の単独家出は 旦那の出勤時間になったと同時に 約3時間で終わった。
- なんて綺麗な青い空なんだ
