憂鬱な天使さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2009/7/3 22:26
- 伝言板
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- 【ちいさな くれよん】
おれて短くなった
黄色いくれよんが、
くずかごの中に捨てられました
『ぼく、まだ描けますよ。まだ、きれいに塗れますよ』
おおきな声で呼んだけれど、誰も拾いに来てくれません。
くれよんはお日様の明るい広い世界に自分から飛び出していきます。
『何か、役に立つことがあるかもしれない』
色の薄くなった坊やの靴の雛をきれいに塗ってやり、色の剥げたおもちゃの自動車をせっせと塗ってやります。
どんどん小さくなる黄色いくれよん。
『そんな綺麗な色になりたいな』
と言う小石を塗ってあげたくれよん。
『ありがとう、くれよんちゃん。でも、そんなに小さくなっちゃってごめんね』
『いいんだよ。ぼく、ちびでもいろんな役に立ってうれしいよ。じゃ、さよなら』
日が暮れて、空にお星様が光り始めました。
『ああ、ぼくお星様を塗ってあげたい。こんな小さくなったけれど、僕の体全部使って塗ったら、きっとあのお星様、明るくなって、元気に光ると思うよ』
そのとき、くれよんの小さな体に、大きな大きな力がわいてきました。
最後、くれよんは弾けるようにお星様に向かって飛んでいきます。
- 【ちいさな くれよん】