アンネローゼさんとモバ友になろう!
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- 2014/1/8 19:48
- 青い空の向こう 後編 (童話)
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- 「ムー?」
僕は目を開けるのが怖かった。消えてなくなってしまいそうで…
”ここにいる”という事がどう言う事なのか僕にもわかった。
やっぱりムーは死んでいたんだ…
「大丈夫だ。目を開けな」
カローンの声。
恐る恐る目を開けると、そこにはムーが居た。
「ムー やっと会えた…ゴメンネもっと僕が…」
言葉が詰まる。ムーの顔が涙でにじむ。
ムーを抱き上げ、そっと抱きしめる。
ふわっと、ムー匂いが鼻をくすぐった。
「弘くん…ごめんなさい。黙って居なくなってしまって…ずっと私を探してくれてありがとう。このままだと私も弘くんも前に進めないと思って…カローンにお願いして会わせてもらったの」
ムーは頬に流れた僕の涙を優しく舐めた。
「弘くん…ずぶ濡れだった私を拾ってくれてありがとう。私、弘くんの所に来てから毎日がとっても楽しかったわ」
そう言うとムーは目を細くした。
「ムー僕もだよ…僕こそ感謝してるよ。友達と喧嘩した時も怒られた時も、ずっと一緒に居てくれて…」
声になっていたかどうかは分からない。ただ伝えたいことがドンドン、ドンドン出てきて……
僕はムーの体を撫でながら泣いた。
そして…
「最後にお話が出来て良かった…」
そう言うとムーの体がふわりと風に浮いた。
「ムー…ありがとう…」
そう言うのがやっとだった。
ムーは目を細くして僕を見て…風になった。
僕はカローンに見られないように涙を拭った。また馬鹿にされたくなかったから。
顔を上げるとそこは元の川原だった。
カローンの姿もない。
「夢…?…でも!」
僕の手はしっかりとムーの柔らかい感触を覚えている。
ムーが舐めた頬にもそっと手を触れてみる。
「あっ……ムーの匂いだ…」
僕の手のひらには、しっかりとムーの匂いが残っていた。
僕は雲の浮かんだ青い空を見上げる。
「”生まれる準備をする所”…かぁ…」
僕はまた…近い内にムーに出会えるような気がした。
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長くなっちゃってごめんなさい(^_^;)
読んでくれてありがとう!
- 「ムー?」