アンネローゼさんとモバ友になろう!
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- 2013/8/20 23:33
- 通り魔 (サスペンス)
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- 私が通り魔になったのは全て この子のため…
この子を無事に育てたい一心で通り魔として生きていくことを決めた。
私と この子を捨て、何処かに行ってしまった あの人。
別に恨みはしないけど、この子だけはどうしても元気に育って欲しかった。
物陰に潜み、気配を消し、チャンスを待つ。
そしてスキを伺い一気に一刺す。
相手がひるみ、麻痺している隙に少しだけ抜き取る…
初めはこれだけ。
相手のダメージも最小限になるように考えていた。なのに…
子供も無事に大きくなって、手が離れると私はいつの間にか自分の快楽の為に人を刺すようになっていった。
心の移り変わりとは、実に不可解…
でも、刺した時の肉に突き刺さる感触。
甘くほとばしる血液…
ぞくぞくするスリル…
私は一人を、何度も…何箇所も突き刺すようになっていった。
こんな事をして長く続くはずはないと思っていたけれど…
どうしてもやめられなかった…
そして、その時がおとずれた…
私は少し太っている鈍感そうな男をターゲットにし、
そっと近づき、いつものように刺そうとした。
「えっ!? 何?」
胸ぐらを突き刺すつもりだったのに、身動きが取れない!
まるで硬いロープでがんじがらめになったように全身が動かない!
必死にもがき、奇声をあげた。
「おい!見ろよ!また引っかかってるぞ」
「おお~すげ~!お前の胸毛最強だな~蚊も刺せねな~」
ターゲットは私の居る所をボリボリとかきむしり…
私はターゲットの爪の中へ…
臭い、汚い…
こんな事なら、獣の血液で我慢しておけば良かった…
- 私が通り魔になったのは全て この子のため…