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    • 2009/11/13 7:12
    • 東方SS(8)
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    • 埒が明かないと判断したわたしは、彼の傍に歩み寄り、思ったより細く、それでいてちゃんと男性のものと解る彼の肩に、そっ
      と手を置く。
      ――瞬間、彼の体がぐらっと傾いた。
      わたしは咄嗟に彼の反対側に回り込み、倒れかけた体を両の手でしっかりと支える。
      彼の体が思ったより軽いことに驚きながら、すぐそばに迫った彼の顔を、ちらっと仰ぎ見た。

      「んん……ああ、森近の本が飛んでくー……」

      ようやく耳にした彼の言葉は、

      「……寝てる?」

      紛うことなき、寝言だった。
      たとえ静かだったとは言え、わたしが散髪している途中で寝てしまうなんて……
      確かに、散髪しているときに、抗い難い睡魔に襲われるということはよくあるけれど。

      「……姫様と師匠、夕御飯の準備が遅れるの、許してくれるかな……」

      わたしはくすっと頬笑み、小さな圧力をかけ続けている彼の頭を、そっとわたしの膝の上に横たえた。
      いわゆる、膝枕の体勢だ。

      「うぅ……やっぱり、恥ずかしいな」

      いくら彼が寝ているとは言え、この体勢にはやはり、若干の抵抗がある。
      姫様が彼にこうしている姿はよく目にするけれど、傍から見ているのと実際にやるのとでは、その……いろいろと、勝手が違い
      すぎる。
      ふとももにかかる圧力や、わずかにかかる吐息の熱。
      膝の上から聞こえる小さな寝息や、彼が身じろぐたびに感じる柔らかな髪の感触。
      その一つ一つが、悉くわたしをドキドキとさせる。

      (姫様、よくこんな恥ずかしいこと出来るなぁ……)

      それだけ姫様は、彼のことを本気で好いているのだろう。
      いつでも、どこでも。自由に彼に好意をぶつけられる姫様を、わたしはほんの少し、妬ましく思ってしまう。
      「イナバ」という立場上、わたしは彼に、好意を向けることを許されはしないから。

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