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    • 2010/9/1 19:15
    • 俺的おとボク~無名のエルダー~ その2
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      ──────────────



      「ボクは、えっと……男、ですよ?」


      「えぇ、知っていますよ。でも本当に可愛いんですもの。抱き締めたくなっちゃいます」

      か、可愛いって……。


      「やはり、おかあ……鏑木のおば様の見立てに間違いはありませんでしたね」

      鏑木のおば様といえば、現社長の奥様である。
      ボクは何度かしか会ったことがないが、とても綺麗で雰囲気の柔らかい、優しい方だった。

      そういえば、何処と無く雅さんに似ているような……気のせいかな。


      「でも、百歩譲って可愛いとしても、この状況はどうかと……」


      「あら、私はその制服、凄く似合っていると思いますわ」


      「……男のボクでも?」


      「寧ろ、似合っていないお方にこの制服を着せることこそおかしいと思いますが」


      「はぁ~……」

      ボクが盛大な溜め息をつくと、雅さんはクスッと笑い、ボクの背中に手を当て、姿勢を矯正した。


      「光さん、ここではいつ何時誰に見られるか分かりません。ほんの少しのほつれが、大変な惨事を招く可能性があります。……ですから、立ち居振舞いには十分気をつけて下さいね」


      「……はいっ」

      ここまで来たら、もう後には戻れない。
      腹をくくったボクは、深呼吸をした後、背筋を正して歩き始めた。


      「ふふっ、迷いがなくなったようですね。それでは参りましょう、私たちの学舎へ」


      ボクと雅さんは、同時に其処へと足を踏み入れた。




      “聖應女学院”

      男子禁制の場所へ────

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