漣@ワン子さんとモバ友になろう!
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- 2010/9/1 19:13
- 俺的おとボク~無名のエルダー~
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- ─始まりを告げるひかり─
父
「これは決定事項だ」
光
「……ボクの意向は無視ですか?」
父
「無論。元より、かの鏑木財閥よりの申し付け、傘下である我が厳島が断れる筈があるまい」
光
「…………」
だからといって、こんな事……
光
「馬鹿げてる……」
¢
?
「どうなさいましたか、光さん?」
光
「あ、雅さん……」
通学路を歩いていたボクの隣に、雅さんが黒髪をなびかせ並んだ。
この方は、宮小路雅さん。
ボクがこの学院に転入する際、鏑木から送られてきた目付け役である。
容姿端麗、才色兼備。
宮小路という家系も、元を辿れば鏑木に通ずると云われる名家であり、雅さんはまさしく完璧なお嬢様だ。
雅
「この学院は体面こそ厳しい様に見えますが、いざ蓋を開けてみれば寛大な方達の集まりですから、余り気に病む心配はありませんよ?」
ボクから滲み出る不安を感じ取ったのか、雅さんはそう云って微笑み──
ムギュッ。
光
「んっ……!?」
背が小さいボクの顔は、丁度いい高さにある雅さんの胸に押し付けられ、息苦しさと恥ずかしさを同時に覚えた。
雅
「こんなに可愛いんですもの~」
光
「むっ、むぐっ、むぐぐっ!」
い、息が出来ない!
じたばたともがくボクに気付いた雅さんは、はっと我に返ると、恥ずかしげに鞄で顔を隠した。
光
「はぁっ……助かった」
雅
「わ、私としたことが……申し訳ありません……」
光
「いえ、良いんですが……その……」
雅
「?」
首を傾げる雅さんに、ボクは伏し目がちに答えた。
- ─始まりを告げるひかり─