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- 2023/11/30 13:03
- 無名の新人〈中〉
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- 「ギャラはいらない。航空券とホテルだけ持ってくれれば日本に行く」
これとて決して安いものではありませんが、リスクも下がるし、そこまで言うなら… とウドー音楽事務所もざっと会場をあたってみたのですが、彼らが希望する日程に東京の会場が見つかりません。会場がないことには話にはなりませんから、“会場がないので” という理由で2度目の断りを入れています。
それでもビリー側は粘っていたのですが、そういうやりとりをやっている最中、アメリカ最大の人気音楽番組、NBCの『サタデー・ナイト・ライブ』にビリーが出演。この出来事でアメリカで完全に大ブレイクしたのです。
アルバムもチャート急上昇。シングル「素顔のままで」は『Cash Box Top 100』で2位まで上がりました。ちなみに、番組放送日の1978年2月18日は、アメリカのビリー・ファンにしてもブレイク記念日として認識されているようです。
このアメリカでの大ブレイクを目の前にすると、断っている場合ではなくなりました。ウドー音楽事務所は慌てて交渉を再開しましたが、今度はどれだけ真剣に探しても東京に会場が見つからないのです。日本でもブレイクの兆しが見えてきました。逃した魚はでかいです。なんとかしなければいけません。
たまたま、ウドー音楽事務所は4月23日から始まるスコーピオンズ初来日公演のために、中野サンプラザホールを数日おさえていたのですが、そこはビリー側が希望する期間内でもありました。彼らの誰が言い出したのかは定かではありませんが、そこに必殺のアイデアが飛び出したのです。23日が日曜日ということもあり…
「よし、23日の昼間にやろう!」
当然、ウドー音楽事務所内部でも侃々諤々(かんかんがくがく)あったはずですし、会場を貸している中野区としても驚きです。マチネ(昼公演)はよくあるとしても、昼夜別のアーティストが同じ会場でやるなんて洋楽興行界では前代未聞の出来事でした。
- 「ギャラはいらない。航空券とホテルだけ持ってくれれば日本に行く」