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- 2007/11/7 1:04
- 我が家の破壊神たち…
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- …えぇ、それは昨日の晩の事でございました…。
秋もようやく暮れに差し掛かり、夜の肌寒い空気が冬の到来を感じさせる、そんな日の出来事でした。
明日のお弁当に彩りを添えるため、私は玉子焼きをこしらえようとリビングから台所へ移動しました。
卵を割り、調味料をいれ、それを菜箸で何気なく溶いていたその時…
ーーーーーーシャカシャカシャカシャカ…
奥の流し場から何やら不気味な音が聞こえてきたのです。
反射的にそちらを振り返ると、そこには1年に数度拝めるかどうかと言うほど珍しい、米をとぐ妹の後ろ姿が…
驚きはしましたが、あえて声はかけず、私はそのさまを黙って見守っていました。
しかし、そんな私とは対照的に、彼女は米をとぎながら誰にともなく独り言を語り始めたのです…
『必殺暴れ米ぇぇ
』
突然彼女は叫び、私は我が目を疑いました。
必殺技の名前を叫びながら、彼女は釜の中の米を渦が出来るほどのスピードで高速回転させていたのです…
技名の通り周囲に飛び散る哀れな米粒を遠巻きにながめながら、私は冷静に玉子焼きを焼いていました。
そんな台所に、クイックルワイパーを握りしめた母が入ってきました。
ですが、何やら様子がおかしいのです。
母は私と目が合うなりこう言いました。
『ぶっ壊しちゃった』
そう、我が家のクイックルワイパーは母の腕力に耐え切れず、柄と先っぽの継ぎ目から真っ二つに折れていたのです…
志なかばで殉職した哀れなクイックルワイパーを遠巻きにながめながら、私はひたすら玉子焼きを焼いていました。
そして、ふとリビングの方へ視線を向けてみると…
なぜかそこには脱衣所にあるはずの洗濯カゴが横たわっていたのです。
よくよく目を凝らしてみると、どういう訳かカゴの持ち手がありません。
そう、壊れていたのです。
犯人は娘(アメショー)でした 。
彼女は何食わぬ顔で毛布の上で寝ています。
そして物言わず静かに横たわる哀れな洗濯カゴを遠巻きにながめながら、私はただひたすら無心に玉子焼きを焼くのです。
我が家の破壊神達は、これからもきっとその本能のおもむくままに破壊活動を続けるのでしょう…。
そんな事を考えながら、私は焼き上がった玉子焼きを弁当箱に敷き詰めるのでした。
◆おしまい◆
- …えぇ、それは昨日の晩の事でございました…。