タナトスさんとモバ友になろう!
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- 2024/5/29 19:56
- 死神ジュンとヴァルキューレの騎行③後編
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- 一方、死神ジュンはと言うと、こちらはこちらで大層ご立腹であった。
「あいつらのせいで暴れん坊上様を見逃してしまいましたわ! 腹立たしい! あーッ、腹立たしい!」
と、6畳一間の部屋の中をぐるぐると行ったり来たりしていた。
「ちょっ…姐さん、狭いのに鬱陶しいって……」
死神ジュンの使い魔、ヨシツネがたまりかねてつっこむ…
ヨシツネは人間の姿をしているが、その正体はカラスの妖怪である。
「だいたいさ~、いつも同じ内容なんだし、一回見逃したくらい別に良いじゃん!」
どっからどう考えても地雷としか思えない発言を平気で口にする勇者ヨシツネ… 命知らずにも程がある…
「はぁ? 今なんて言いましたの!? 焼かれたいんですの? てか焼かれたいんですね? はい決定! 焼きます! 焼いて差し上げまーす!!」
ジュン軍事法廷はヨシツネを火刑に処すことを満場一致で採択したようだ…
その時………
不意に『パチン』と空気が弾けるような音がした。
それは以前にも耳にしたことがある…
それは何らかの過去改変が行われた時に生ずるラップ音だった…
ジュンは咄嗟に身構えた。
そして部屋の中を見回し、どこか変わったところがないか探した。
「ヨシツネ、気付きましたわね?」
ジュンは傍らにいるであろうヨシツネに声をかける。
しかし返事はない………
「ヨシツネ?」
そこでジュンははたと気付いた…
消えたのはヨシツネだと言うことに………
- 一方、死神ジュンはと言うと、こちらはこちらで大層ご立腹であった。