まさお▽さんの日記

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- 2009/5/21 12:48
- ショートショート隕石の涙⑥
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- 『リンク:YouTube動画:Kimura Yuki-Unbalance (PV) - ﾓﾊﾞ検索』
  
  ホネホネロックな第六話。
  
  次回最終回
  
  リンクは木村由姫のお気に入りの曲。
  
  詞に景色が見える。
  
  ……………………………
  
  ちょっと下を向き、
  
  迷うように思いを込めて彼、
  
  『僕は小さい頃から泣いたことがありません。
  
  どんな悲しいことがあっても泣けませんでした。
  
  母が亡くなった時も泣かない僕をみんなは薄情だと…
  
  でも、僕の心は泣いていた。
  
  何日も何日も…
  
  泣ければ悲しみも少しは癒えるのでしょうね…
  
  終わることのない悲しみも、
  
  あなたを見つめることで、癒やされてきました。
  
  不思議なことに、
  
  この一年間、月の距離には変化はありませんでした。
  
  それは…
  
  あなたを見つめるようになってからです。
  
  この間の重力の特異点の消滅は…
  
  僕の悲しみとあなたの悲しみの｢対消滅｣です。
  
  僕は…
  
  悲しむと重力の特異点になる。
  
  あなたとは逆の作用をする特異点です。
  
  月を遠ざけていたのは僕なんです。
  
  僕が泣けないかわりに、
  
  僕の悲しみが月を遠くやってしまいます。』
  
  泣きそうな彼の瞳…。
  
  その悲しみを癒やしたい。
  
  私は彼の手の平を包んだ。
  
  あっかい。
  
  これが人の温度。
  
  胸と鼻の先がツンとしてくる。
  
  何？
  
  この感覚は。
  
  彼をしっかりまっすぐに見つめた。
  
  ｢大丈夫よ。
  
  私がいる。
  
  あなたの悲しみは私が半分引き受ける。
  
  泣けなくたっていいわ。
  
  誰からも理解されなくたっていい。
  
  私が理解します。｣
  
  私の頬を伝うあたたかな水。
  
  隕石じゃなくて、
  
  私の涙。
  
  ｢私があなたのかわりに泣きます。
  
  だからもう…
  
  悲しまないで。｣