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    • 2015/2/20 7:58
    • 風立ちぬ
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    • 超々不定期レビュー③

      『風立ちぬ』

      2013年日本映画。
      宮崎駿監督。
      1930年代、過酷な戦争へと突き進む日本。夢であった飛行機設計士となった堀越二郎だったが、戦闘機の設計に携わることに。
      二郎の夢と妻 菜穂子との愛を描いた宮崎駿監督の引退作。


      二郎はイタリアの高名な飛行機設計士カプローニと、二郎が眠っている時に見る夢の世界でのみ邂逅する。そこでは二郎とカプローニの“美しい”夢が描かれている。
      『千と千尋』や『ポニョ』においても“生と死の境”の世界が描かれたが、『風立ちぬ』においてはどちらかと言うと“夢と欲望の境”の世界である。
      その世界は一見美しいがどこか異形の恐ろしさも感じさせるものであり、終盤ではその“夢の世界”も、これまでの作品以上に「死」を連想させるような茫漠とした世界へと変化していく。

      この作品での二郎という青年は、一見夢に真っ直ぐで一途な愛を貫く青年である。
      だがその姿は、病床にある菜穂子を自分の元に呼び寄せたり、床に伏せった菜穂子のすぐ近くでタバコを吸ったりと、どこか我が儘で自分の欲望(夢)に忠実だ。

      それは自身のアニメ制作において、周りを犠牲にしてでも“美しい”ものを創ろうとする、或る種の「暴君」でもあった宮崎駿自身の姿でもあるが、オブラートに包んでいるとは言え 何故宮崎駿はこうも正直に自分の我が儘さや冷酷さといった部分を描いたのだろうかと、最初は不思議でもあった。

      しかし観終わってみて、それは「夢と理性なき欲望がもたらすもの」を1つのテーマとして描かねばならなかった今作において、夢と欲望の間に存在するエゴや、自身の表現者としての醜い“業”を隠してしまっては、この作品自体が全て嘘になってしまうと 恐らく考えたからだろうと思えた。

      この『風立ちぬ』では、これまでの宮崎作品と違い、主人公の二郎と菜穂子のキスシーンなども割と多く見られる。

      だが名残惜しそうに握り合う手や抱き合う姿も、互いの存在を確かめ合うようなキスシーンも、大人の世界を描く為というより、宮崎駿自身のアニメ監督としての創作活動、これまで生み出した作品、そしてそれらを愛してくれた者たちへの、哀しき別れの抱擁であり、私達の未来への祈りを込めた最後のキスであったようにも感じられた。

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