ばいえるさんとモバ友になろう!
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- 2015/2/26 7:37
- 「蕎麦を手繰る」の蘊蓄
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- 2月25日のニュース について:
- よく噺家サンが「蕎麦を手繰る」てぇ言い方をしますが、知らないシトは「啜る」や単に蕎麦を箸で持ち上げる動作と勘違いしてる方も居る様で御座います。「蕎麦を手繰る」てぇのは、蕎麦を箸で抓んで何度か手繰って纏める事を申します。その方が腕を無駄に高く上げずとも良いし、ツユ碗を蕎麦の器に近付けて蕎麦を手繰り移す様な、みっともない事しなくても良く、食べてる姿が小綺麗で啜る音も短くってぇ小気味が良い…本来、蕎麦をズルズルと長く啜るのは無粋なんですよ。では、何故蕎麦を長く啜るのが浮世に広(シロ)まっちまったかってぇと、蕎麦を題材にした演目で、噺家サンが扇子を箸に見立てて蕎麦をズズズっと大袈裟に音を立てて喰らう芸のせいなんですねぇ…。勿論、江戸に長く住んでるシトは無粋と判ってるんで、そんなこたぁ致しやせん。江戸は田舎者が集まる処てぇ云いますが、江戸見物に来たシトが寄席で「時蕎麦」だの「蕎麦清」を観て噺家サンの蕎麦を食う芸が、あまりにも旨そうに演るもんだから蕎麦が無性に食いたくなっちまって、寄席がハネた後の近所の蕎麦屋の前を通っただけで、ズルズル蕎麦を啜る音で煩かった様で御座います。こんな感じで長く啜るのが当たりめえになっちまったんですね。今の浮き世で職人気質な蕎麦屋のオヤジさんは、短く蕎麦を啜る音が聞こえると忙しくなければ、その客の顔を見に出て来る様で御座います。丁度時間と相成りましたので、本日は「枕」にて〆とさせて戴きます。