センブレットさんの日記

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- 2009/6/21 5:03
- はじまりの坂道
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- 「…う、うるさいなぁ…貧乳ドリル頭…」
  
  　店に入ってきたばかりの小柄でサイケな感じの女性に低いトーンで呟くと、刀傷頭をサリサリしながら椅子からゆっくり立ち上がる(セ)。
  
  「…(セ)さ～ん！？、冗談なんだから怒んないの♪」
  と、グルグルと立体的な髪を振りながら(セ)に近付き、上目遣いと共に両手でウネウネと少なめの乳をひとしきり動かした後、ソファに腰を落としピンク色の雑誌をペラペラめくり始めるサイケさん。
  
  　向日葵店主が軽やかな手つきで髪の毛を払い終えると、
  「…ハァ～イ！お疲れさまぁ～♪」
  といった床屋協会の決め台詞が小さい店内に響きわたる…。
  　
  　
  (セ)は大きな伸びとアクビとを同時に行い、涙目を軽く擦りながらポケットの中から取り出した福沢諭吉の肖像画を手渡す。
  
  「んぁ～りがとねェ～♪」
  喋り方とはかけ離れたゴツゴツした手の平でそれを受けとり、お返しにレジの中から夏目と野口の肖像画を数枚(セ)に手渡す。
  
  それをポケットにねじ込みながら、サイケさんの１メートル程横にのっそりと腰掛ける(セ)…、
  待ってましたとばかりにピンク雑誌(エロ本では無い)をテーブルの上に伏せ、(セ)の30センチ横まで一気にスライドして来るサイケさん…。
  　
  …(セ)的には敢えて距離を取って腰掛けたつもりだったのだろうが、どうやら彼女はそういう空気が微塵も読めない人種らしく、ピンク雑誌(決してエロ本では無い)で潰していた時間を取り戻すかの如く一方的に喋り出す…。
  
  　「つかなんでぇ～！？、あんな長かったのにぃ～！？なんでまた坊主ぅ！！？？、なんでなんでぇ～～！？……あっ！アタシ解ったしぃ～♪、アレでしょ？、あの娘でしょ？、前に一緒に手繋いで歩いてた娘！！、アレやっぱり彼女サンなんでしょ～～！？、…ん～で、アタシと(セ)さんのラヴラヴメール見られてぇ～、大喧嘩の末ポイッと捨てられてしまいましたぁ～(泣)！！、…それで気分転換にバッサリいっちゃおっかなぁ～！！的な！！？？、………………コレで正解でしょ！！！。」
  　
  …江戸川コナンも真っ青な名推理を身ぶり手振りを交えながら繰り広げている中、向日葵店主がニコニ…いや、ニヤニヤしながら(セ)と名探偵に珈琲を持って来た。
  　
  …カチャカチャと耳障りの良い磁器と銀のスプーンとの不協和音、それらを操る手元がゴツゴツしてなければ実に絵になりそうである……。
  　
  　
  ―続く―