大豆さんさんとモバ友になろう!
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- 2013/4/22 10:04
- 第十一話 小人たちの身の上話
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- 真矢が話終わると、皆下を向いた。
「そんなことがあったのね…」
「うん…ウサギなんて見てないよね。」
「そうね…」
白雪姫は自分がついだ紅茶を見ると、何かを言うことを決意した。
「けど、皆苦労していると言うことはわかったわ。」
白雪姫が紅茶をゆっくり飲んだ。
真矢は訳がわからず聞き返した。
「みんな…?」
「この小人たちはね、内乱で親を失った孤児たちなの。」
「え…?内乱って…?」
真矢が聞き返す。
「この国の王様が、小人をこの森から消してと命じたの。」
「じゃあ、この子たちの親は…?」
アリスが聞くと、白雪姫は辛そうに口を開いた。
「誰一人、残っていないわ。」
「…。」
真矢は何も言えなくなった。
それを見たマニッシュが話を続けた。
「白雪姫はさ、実はこの国の人間じゃない。内乱には全く関係のない、隣の国のお姫様だったんだ。」
「…?」
「実は、俺たちの親が放った武器のせいで白雪姫の国まで巻き込まれて、逃げ延びたんだ。」
「え…?どういうこと?」
「俺たちの親が、偶然白雪姫の国を滅ぼしちまったのさ。」
「え…!?」
「それって、白雪姫、ここにいていいの…!?」
真矢とアリスはあせった。まさか、こんなに仲のよい白雪姫と小人たちにそんな酷い過去があったなんて。
「だって、仕方ないことでしょう?この子たちの親はただ、子供を守りたかっただけなんだもの。悪いのはこの国でしょう?」
それを聞いて、納得がいかなかったアリスは、白雪姫を問い詰めた。
「白雪姫は許してるの?」
「だって、許すしかないんだもの。逃げていたときに出来た怪我の看病をしてもらったし、この子たちは恨むべき人間の私を助けてくれたのよ。」
「…」
「そんなこの子たちと、どうして一緒にいちゃいけないの?」
白雪姫はそう言って笑った。
「…すごい…」
アリスは感嘆の声をあげた。
真矢は逆に自分が恥ずかしくなった。真矢はまだ、自分の両親を引いたトラックの運転手を許せずにいたのだ。
「私には、そんなこと…」
「違うわ。真矢。そんなことが言いたいんじゃないの。私たちが言いたいのはね、」
「…?」
「あなたは、一人じゃないってこと。」
真矢は一瞬で涙目になった。
「うん…」
「泣いていいんだぞ、真矢。」
「うん…」
真矢の、一日二回目の涙である。
- 真矢が話終わると、皆下を向いた。