カロン◆さんとモバ友になろう!
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- 2014/4/6 17:39
- 嗚呼、君は
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- カラスがいない。新しい街──神奈川県某所に引っ越してきて、まず思ったのはそれだ。
故郷・群馬でも、ちょっと前までいた山口でも、ゴミ捨て場はカラスの根城だった。こちらが出すゴミをじっと見つめ、食べられると見たら、去った途端に物色する。
何度ゴミ捨て場を汚されたか知らないが、こちらに来てから、そんな光景はすっかり見なくなった。
汚く図太い連中だが、いざ見なくなると、どこか寂しさを感じずにはいられないものである。などと考えながら、ヤツらが絶対逃さない、生ゴミ入りの袋をゴミに出す。
カァー、と。
頭上で乾いた鳴き声がした。
群馬や山口にいたカラスでは、きっとない。
けれど、昔の友達にばったり会ったような嬉しさと、懐かしさが込み上げてくる。
汚く図太くゴミを漁っていた彼らは、遠く離れたこの地でも、汚いなりに懸命に生きている。
そんなことを嬉しいと思う自分は、たぶん変なヤツなのだろう。
自嘲気味に笑いつつ、さっき置いたばかりのゴミに背を向ける。
思う存分漁りたまえ、なんて思いながら。
- カラスがいない。新しい街──神奈川県某所に引っ越してきて、まず思ったのはそれだ。