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    • 2016/6/19 13:21
    • 三尾の狐17
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    • 閲覧(8)
  • "アバター"
    • 車の中から更地を見つめる。

      彼女『師匠、車から降りてみます?』

      のり『……無理に決まってるやろ(ー_ー;)怖すぎじゃろ……』

      異様な霊気を感じていたのりたまは、車から降りれないのだ(笑)

      隣の家の灯りが漏れ、それにぼんやり照らされる更地を探るように見ていたら……

      『……居た。……3人も居るよ……』

      ぼんやりと煙のような人影が……

      その内、一人だけ気付いた様子で少しずつジワジワと近付いてくる。

      ヤバい……。逃げなきゃ……。
      そう思いながら目を離す事が出来ないのりたま。

      のり『なぁ……逃げた方が良くないか?』

      彼女『師匠、あの白いの何すか?こっち来てますよ。ヤバくないすか?師匠!!』

      テンパる彼女は、運転手だということを忘れてるっぽかった(笑)

      アクセル踏めよ……。

      白い物体がのりたまの横まで来た。

      彼女『ヒッ……。シ……シショウ……(半泣)』

      その時だ。頭の中である光景が見えた。

      今は更地だが、以前は3階建ての一戸建てだった。

      寝室だったのが3階。

      そこから、いつも楽しそうに家族が生活しているアパートの一室を羨ましく見ていた。胸が締め付けられる切ない気持ちで。

      あんな風に私も幸せなら……。
      あんな風に私も幸せだったのに……。
      女は絶望していた。
      そばにお母さんが大好きだと微笑む子供が居るのに。

      そして、家族がお昼寝している時に火を放った。

      幸せだった頃のお気に入りの赤い服を着て。

      最後まで女が見ていたモノは、いつも見ていたあのアパートの一室。

      白昼の出来事だった。

      『師匠!師匠!もう!聞いてますか?もう逃げるっす!ヤバいっす!』

      彼女の声で現実に戻ったのりたま。

      のり『そうだね……』

      赤い女は、一家心中したんだ。

      ずっと幸せな家族が居るあのアパートに執着があったんだ……

      その部屋が、彼女のお友達が引っ越してきた部屋。

      中が見えるようにカーテンを着けさせないように赤い女が仕向けてたんだ。

      自分の様に破滅すればいい……

      そんな想いに変わってしまったんだね。

      続く。

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