*フィアレス*さんとモバ友になろう!
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- 2010/9/17 18:05
- 秋のそら-後編-
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- 普段しない事をすると疲れる。
ほとんどバイトで、休みの日は本当に休みたいのでゴロゴロしている。そんな繰り返し。
頼まれた事は大体終わった。
しかし、最後に母が言いかけた「晩御飯の用意」もしておこう。
勝手に創作料理を作り始める。栄養士の国家資格をとろうかというのに、大した事もできない。
時計を見た
もう三時か……。
野菜をぐつぐつ煮込んでいると、車のドアが開閉する音が聞こえた。
玄関でくつろいでいるマロンの後ろから、外の音を聞き分ける。
振り返って、私の方を気にするマロン。
おばあちゃんが帰ってきた!
外に向かって指をさすとマロンも同じように玄関の先を見やる。
こういう時は言うことを聞いてくれる。
しばらくすると、玄関の磨り硝子におばあちゃんの影が映った。立ち上がってマロンが尻尾を振っている。
こうしておばあちゃんはふらふらしながら部屋に落ち着いた。
*
部屋の様子を見て、おばあちゃんが言った。
「あら、洗濯物たたんでくれたん?マロンも散歩に?」
「うん」
「台所から匂いがすると思ったら、まぁ」
「一応作りかけ」
「ありがとう」
とりあえずおばあちゃんを休ませて、小一時間ほど料理の続きをした。
*
やっと終わったー
クーラーの効いた部屋でおばあちゃんと一緒にくつろぐ。
「ありがとう。いろいろしてくれて。病院で打ってもらった麻酔で、まだぼーっとする」
マロンと戯れながらおばあちゃんを見る。
おばあちゃんは座り直しておもむろに千円札を私に差し出した。
「洗濯物やら、散歩、晩御飯の準備まで…ありがとう」
私は焦った。
「や、いいよ;これくらいの事で」
全部おばあちゃんがいつもやってる事じゃないか。
「いや、受け取って。こんなことしてくれると思わんかったから嬉しくて…」
おばあちゃんはぐすぐすと泣き出してしまった。
母に言われた事だったので罪悪感があったが、それは言わなかった。
「毎回はあげれんけど、またの時もよろしくなぁ…」
拒否し続けたけど、最後にはうんと言って受け取ってしまった。
*
その後二階に上がってくつろぐ。
何か変な気分だ。このお金どうしようか……。
使わずに何かの時まで取っておこうか……。
そう考た時、突然ひらめいた。
そうだ!
スリッパ買おう!
*
*
END.
- 普段しない事をすると疲れる。