manpeiさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2012/2/19 14:09
- 甘い香りのハンカチーフー2
-
- コメント(0)
- 閲覧(1)
-
-
- 追憶
由美は、習字を習っているという。「しゅうじ?」由美が習字について教えてくれた(すずり・はんし・ぶんちん???)さっぱりわからない。文字を覚えてくると、街を歩くのも楽しくなった。商店の看板、表札などが読めてきたからだ。(質屋の看板は、二十歳に覚えた)
大きな橋を渡ると、公園がある。公園には、科学館・図書館などがあった。図書館に入った。いつもなら、科学館なのだが、。図書館は静かで、ページをめくる音、ノートに鉛筆を走らす音が聴き取れた。お姉さんが僕に近づきしゃがんだ。「ここ初めてきたの?」僕がうなずくと、児童図書のコーナーに案内された。「読み終わったら、あった場所にもどしてね、それから、本は大切にしてね。」そう告げて、もどって行った。本棚には、桃太郎などの絵本があったが、何故かそれより厚い本を選んで席についた。読み始めてからずいぶん時間が経過していたと思う。物語が、結末に近づいた。僕の胸が、ざわめきだした。涙が落ちた。「本をたいせつに」お姉さんの言葉が頭をよぎった。あわてて、着ているシャツの袖で本を拭う。物語が、結末になると、右袖、左袖で、本を拭う。お姉さんが隣りにいたことも気づかなかった。お姉さんは、しゃがみながら、僕にハンカチを手渡してくれた。僕は、お姉さんに言った。「死んじゃった、、、ネロとパトラッシュ、、」「そうなの、かわいそうね、ネロとパトラッシュ。」僕が、ハンカチで、濡らした本を拭き始めると、「あらら、ちがうのよ、お顔をふいて。」
ハンカチで、顔をふいた時、とても甘い香りがした。
- 追憶