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    • 2012/9/30 14:49
    • 特別な日ー2
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    •  少年は肩を落とし、婦人の向かいに座りました。列車は静かに動き始めると、うつむき、(父と母の顔、姉の声をおもいだしていた。)心の中で、どうか、お許しください。祈った。
       その様子を見ていた婦人が、バックから、紙に包んだクッキーを出し、少年に差出し「もし、よろしければ、私にお話し聞かせて下さいな。」といいました。
       少年は、婦人に全て話しました。
       友人とスーパーに押し入ったこと。人の車を盗んだこと。そして、家族に悲しみを与えたこと。今は、とても後悔していること。
       列車は、右にゆっくりカーブを描く。まもなく、トンネルに入りました。トンネルを出ると、すぐに少年の家があります。少年の膝の上で手が震えていました。
       婦人は少年に言いました。「私は、あなたと同じ経験をした人を知っています。その人は許していただけましたよ。」しかし、少年には聞こえませんでした。
       列車がトンネルを抜けると、少年は、車窓に鼻が着くほど近づき、ニレの木を、赤い布を探しました。
       ニレの木には、赤い布が結びつけられていました。しかも、布は1枚ではなく、ニレの木の枝という枝に結ばれていました。真っ赤に染まった楡の木がまっすぐ立っている姿を見ると、少年の瞳から、とめどなく、涙があふれました。
       少年が涙を手でおさえ、顔をあげると、婦人の姿が消えていました。棚の荷物もありません。向かいの席には、新聞を
      ひろげている男に変わっていました。
       車両の後ろの方から子供の声が聞こえます。
       「ハッピークリスマス。」


             特別な日。

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