非色さんとモバ友になろう!
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- 2012/3/29 11:40
- 短編小説‐存在価値‐
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雨も止み、よく晴れた校庭の片隅で、僕は膝を抱えて水溜まりを見つめている。
昼休みも終わり、次の授業が始まるチャイムが鳴ろうとも、僕はその場から動けなかった。
どうせ教室に行っても虐めれられるだけ。
行ったってしょうがない。
僕は、何で生まれて来たのだろうか?
水溜まりに写る青空を眺めていても、何も答えは見つからない。
自分の存在価値が解らなくなってきた。
その僕に、近づいて来る足音がする。
その足音は、僕の目の前で止まった。
水溜まりに写る姿で、僕の憧れている担任のリエ先生だと解る。
「こんな場所で何してるの?」
リエ先生は、優しく聞いてきた。
僕は、黙ったまま、水溜まりから目を離せずにいる。
「授業始まってるわよ。」
「君がどんな思いでここに居るかは、なんとなく解ってるつもり。」
「だから、ちゃんと先生に話して。」
「ほら。先生と教室に行こう。」
「ここに座ってても、何も始まらないよ。」
そう言いながら、先生は手をさしのべてきた。
そんな先生の思いは、スゴく嬉しいし、ちゃんと伝わっている。
けれど僕は、その場から立ち上がれないでいる。
水溜まりに写る、先生のスカートの中身が丸見えで、アソコが立ち上がっているから。