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    • 2012/3/21 10:39
    • 短編小説 ‐卒業‐
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      私は、この街を一望出来る公園へ行く登り坂の途中で自転車をこぐのを止め、呼吸を整えながら後ろを振り向いてみる。


      冬の澄んだ空気のおかげで、眼下の街並みはスッキリと良く見える。

      見上げた空は、雲一つなく青一色。

      その青いキャンパスの中央に、一直線に伸びた飛行機雲が見える。


      私は、遠ざかる飛行機雲を見つめながら、自分がこの世界から取り残される不安を感じた。



      太陽の光を遮るためにかざした左手を、そっと頭に乗せてみる。


      まだ さっきの感触がハッキリと残っている。



      「ごめんな。」

      の先輩の声と、頭を撫でてくれた感触が..



      フラれるのは解りきっていた事。

      学校で1、2を争う人気者だし、なにより素敵な彼女が居る。


      けれど このモヤモヤした心をスッキリさせたくて告白。

      そして 見事にフラれた。



      今日は卒業式。



      先輩は卒業してしまった。




      いつの間にか溢れた涙を拭い、私はまた自転車をこぎだした。





      「私も先輩から卒業しなきゃ」




      自転車をこぐスピードが増すにつれ、春は近いが、まだ冷たい風が頬を撫でていく。



      その冷たい風が、先輩への想いを連れ去ってくれるような気がした。











      「今度はノーマルに、女を好きになるぞー!!」




      ヒロキは大声で叫びながら、自転車をこぐ足にチカラを込めた。

       

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