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    • 2013/2/26 0:12
    • 菊池 寛3
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    • 一、サラブレッドとは、いかなるものかも知らずに馬券をやる人あり、悲しむべし。馬の血統、記録などを、ちっとも研究せずに、馬券をやるのはばくち打ちである。

      一、同期開催の各競馬の成績を丹念に調べよ。そのお蔭で大穴を一つ二つは取れるものである。

      一、必ず着に来るべき剛強馬二、三頭あるとき、決してプラッセの穴を狙うなかれ。たとえ適中するとも配当甚だ少し。※注3

      一、プラッセの配当の多寡は、他の人気馬の入線如何による。その点においては、より偶然的である。むしろ単勝の大穴を狙うに如かず。

      一、厩舎よりの情報は、船頭の天気予報の如し。関係せる馬について予報は詳しけれども、全体の予報について甚だ到らざるものあり。厩舎に依りて、強がりあり弱気あり、身びいきあり謙遜あり。取捨選択に、自己の鑑定を働かすにあらざれば、厩舎の情報など聞かざるに如かず。

      一、自己の研究を基礎とし人の言を聞かず、独力を以て勝馬を鑑定し、迷わずこれを買い自信を以てレースを見る。追込線に入りて断然他馬を圧倒し、鼻頭を以て、一着す。人生の快味何物かこれに如かんや。しかれどもまた逆に鼻頭を以て破るるとも馬券買いとして「業在り」なり、満足その裡にあり。ただ人気に追随し、漫然本命を買うが如き、勝負に拘わらず、競走の妙味を知るものに非ず。

      一、馬券買いに於て勝つこと甚だかたし。ただ自己の無理をせざる犠牲に於て馬券を娯しむこと。これ競馬ファンの建てたる蔵のなきばかりか(二、三年つづけて競馬場に出入りする人は、よっぽど資力のある人なり)と云わる、勝たん勝たんとして、無理なる金を賭すが如き、慎しみてもなお慎しむべし。馬券買いは道楽なり。散財なり。真に金を儲けんとせば正道の家業に励むに如かず。
      ※注1:当時つまり昭和十一年頃は一競走につき一人一枚、二十円馬券が発売されていた。それ故二十四、五円以下の配当とは現在の百五十円かそれ以下の配当に該当する。

      ※注2:百四、五十円の中穴とは注一で述べた如く七倍近くの好配当である。当時は払戻金額は券面金額の十倍を超えてはならないと制限されていたので最高でも二百円までであった。

      ※注3:プラッセとは複勝式馬券の意味。

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