むふーさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2012/5/19 3:03
- やさしいあくま
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- あるところに男の子がいました。
「フウ」。男の子の名前です。
フウはおばあちゃんとふたりで暮らしていました。それはそれは大好きなおばあちゃんと。
フウは毎日毎日、山へ薬草を取りに行っていました。
「おばあちゃんの病気は、僕が治してあげるね」
それが、フウのお仕事だったから。
そんな日がもうずっと続いたある日。
あの日―。
「ここはどこだろう?」
その日、夢中になって草を摘んでいたフウは迷子になってしまいました。
歩いても歩いても、帰り道が見つかりません。
それでも歩き続けたフウは、見たこともない立派な木の下にたどり着きました。
疲れたフウは木の下にペタンと座り、ポロポロと泣き出してしまいました。
―それから、どれくらいたったのでしょうか。
どこからか声が聞こえます。
「どうして泣いているの?」
「迷子になって、帰れなくなっちゃったの」
「……フーン、そうか。じゃあ、もう泣くのはおよしよ。僕が君のお家までつれていってあげるよ」
「ほんとう?」
「ああ、ほんとうだとも。ただし、僕とお友達になってくれるかい?」
「いいよ、そんなの。お安いご用さ」
「ほんと?」
そのときです。
フウの目の前がボワンと光ったかと思うと、そこに赤い男の子が立っていました。
「わあ、君はどうしてそんなに赤い色をしてるの?」
「それはね、僕が"あくま"だからさ」
「フーン、そうか。名前はなんていうの?」
「僕かい?僕はチュッチュ。君は?」
「僕はフウ。ねえチュッチュ、遊ぼうよ」
「え?遊んでくれるの?」
「だって僕たち友達だろ?さあ」
「フウは僕が怖くないの?だって"あくま"なんだよ」
「ちっとも怖くなんかないよ。だってチュッチュ優しいもん」
「そうか、よし!遊ぼう」
それからふたりはたくさん、たくさん遊びました。
いつのまにかあたりは暗くなっていました。
- あるところに男の子がいました。