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    • 2016/4/25 19:34
    • 外伝ノ肆『惜別ノ時と隠密ノ皇帝』(68)
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    • それは、開封で一番と謳われる『万花楼(ばんかろう)』という酒楼である。
      後唐の頃に建てられたというそれは、後周の世宗による開封の再開発後も、建て替えることなく今日まで続いているという。
      万花楼は五階建ての楼閣で、その一番上から見る夜景は絶景だと、以前、兄・趙匡胤から聞いたことがあった。兄は無類の酒好きだったから、足繁くここに足を運んだのだと考えるのは容易い。
      しかしながら、そこは酒楼・・・酒席を囲むところであった為に、今まで敬遠していたフシがあったのは否めない。酒をあまり嗜まない子雲がそんなところに行っても、浮いてしまうだけだ。
      だが、今回ばかりは行ってみたいと思った。昔に比べて酒に幾らか強くなったのと、絶景と言われるその夜景を見てみたいと思ったからである。
      そこで、一同にこれを提案したのだが、
      「ハハッ、酒があまり飲めない子雲殿が、酒楼に行きたいと言い出すとは思いませんでしたよ。
      元来、酒楼というものは酒飲みの為にあるようなもの、子雲殿のような方が行っても肩身が狭い想いをするでしょうね」
      希専にそう言われてしまい、季元はおろか、玉秀にまで、
      「「プッ」」
      と笑みを零させてしまう有り様。子雲は顔を赤くし、二の句が中々出てこなくなってしまう。
      「しかし、あそこの夜景は確かに素晴らしいと聞いています。
      私もそこには行ったことがありませんし、今から行ってみるのも悪くはないでしょう・・・」
      希専はそう言うや否や、素早く物陰に身を隠し、元の姿に身を変える。今から行くのは酒楼、子供の身形で入ることができないからだ。
      しかし、それだけなら何も元の姿にならなくともいいものだ。希専-陳慱-がそうしたのには、おそらく理由があるに違いない。
      さて、こうして子雲達一行は万花楼へと足を向け、あまり時を要さずにしてそこに着いた。
      開封一の酒楼『万花楼』はその南門近くに細長くそびえ立っていた。宋の国都に存在する建物の中でも一、二を争う程の高さに、一行は思わず見上げるようにして眺め見る。
      これが万花楼、か・・・
      外観を見るのも程々にし、一行は陳慱を先頭にして万花楼へと入っていった。

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