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- 2014/9/3 14:54
- イズミール王国~フワールの挑戦⑩
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- 「お前さんの目的は飛ぶことなのか?」
「え?」
「役に立ちたいということは、飛ぶことでしかできんことか?」
黙っているぼくの代わりにココールが言った。
「フワールは飛びたいんじゃなくて、王子や姫を喜ばせたいんじゃないの?それって、飛べなくても他のことでできるんじゃない?」
飛べなくても・・・?
「ぼく・・・飛べなくても姫を元気にできるの・・・?」
「それはお前さん次第じゃろうな」
「王子と姫を繋ぐことがそりゃあ一番だろうけど、でも今のフワールにはできないでしょ?だったら、他のことで姫の力になってあげられないの?姫の力になれたら、王子はきっと喜ぶと思わない?」
「他のこと・・・?」
「フワール。お前さんは王子の代わりにはなれん。お前はお前なんじゃよ」
めだーる様の言葉でぼくは王子の言葉を思い出した。
『不思議な力がなくっても、フワールはフワールだよ』
そうだ。ぼくは王子がこのままでいいって言ってくれたフワールなんだ。
伝説の白馬ふわーるじゃなくていいって言ってくれた王子。
なのにぼくはふわーるみたいになることしか考えなかった。
ぼくは立ち上がった。
「そうか。今のぼくにできることを全部やったらいいんだね」
もうめだーる様もココールも怒ってはいなかった。
まどーるはリンゴをまひまひ食べながら成り行きを見守っている。
「ぼく、姫に毎日お花を届けるよ。一緒に草原にも行く。お話しなくってもいいんだ。ただ傍にいて、一緒に笑ったり、思い出したり、泣いたり、お歌をうたったり」
ぼくはめだーる様とココールを見た。
ふたりとも満足そうに笑ってくれた。
そうやってがんばっていたら、いつかふわーるのように神様がご褒美をくれるかもしれない。
でもそのためにがんばるんじゃないんだ。
ぼくは姫と一緒に王子を待つ。
王子にいっぱいお話が出来るように、姫と一緒にいろんなことをやってみよう。
- 「お前さんの目的は飛ぶことなのか?」