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    • 2013/6/6 11:37
    • 赤いペガサス最終章5
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    • サーキットは、割れんばかりの大歓声に包まれていた。うち振られる、日本の国旗。舞い散る紙吹雪。スタンドは総立ちで、母国のヒーローを讃える。それぞれコーナーで、マーシャル達が旗を振りながら、ケンを迎える。オイル旗を、黄旗を、赤旗を振りながら。幾人かのマーシャルは、泣いているようだった。ケンは決して派手なガッツポーズは取る事はせず、控え目に手を振りながら、ウイニング・ランを周回する。最終コーナー。ケンとハントの、死闘の決着の場となった所には、既に大観衆がなだれ込んでいた。車両保管所までたどり着かないうちに、マシンを停めるケン。優しくマシンを叩き、次にレーシング・スーツの胸を押さえる。ステアリングを外し、シートベルトを外す。マシンの上に身を乗り出すと、初めて両腕を天に突き上げ、ガッツポーズ。激しく巻き起こる、ケン・コール。ケンは最終コーナー、ある場所を凝視する。あのとき。ケンに行く先を示してくれたコトバ。そのコトバの、投げ掛けられた方向。

      見間違いようもない。

      白いワンピース。

      流れるような黒髪。

      ケンが。

      一番逢いたい人が、そこにいた。

      直ぐに人混みに、飲み込まれてしまったが。

      レース後のインタビュー。ケンは、落ち着いた様子で淡々と語る。自分は取り立て、才能のあるドライバーではない。その自分を、ここまで走らせてくれたオーナー、マシンを整備してくれたメカニック、エンジンを供給してくれたフォード、そして応援してくれた、全ての人に感謝している。それと、この勝利を、先に天に召されて行った3人のドライバー、ベアード、モンティ、そしてぺぺ。この3人の事を、自分は決して忘れない。自分が天に召される時が来たら、向こうでもレースで戦うと。最期に、フェアな戦いでケンをブロックしなかったハントの、紳士的な振舞いを讃えるケン。ハントこそ、真の王者にふさわしいと。そしてケンは。スタンドから声援を送ってくれた、最愛の家族に気持ちを伝える。有り難う、ユキ、と。
      ヒーローインタビューが終わり、祝賀会もお開きになる。メカニックやオーナーも帰路に着き、ケンはやがて独り残される。自分が孤独であることを、実感しているケン。そのケンに近寄る影。チーフ・メカニックのカサハラであった。知ってるかも知れないが、ユキな?妹さんは今、日本に帰ってきてる。落ち着いたら、会ってこい、と。

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