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- 2013/6/5 22:24
- 赤いペガサス最終章4
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- 残り3週。ケンのマシンは、ハントのテールに食らいつく。ややタイヤの鮮度に勝るハントは、ケンを右に左にブロックする。最終コーナーから長い長い富士のホームストレートは、その飛び込みから勝負が始まっている。最終コーナーの飛び込みは、確かにケンの方が速い。だがしかし、ケンは大回りをするため、コーナー周回中にハントに離される。ホームストレート中程までは、ハントと横並びまでに、速さを見せるケン。だが、ホームストレート後半は、僅かにハントの方が速い。スタンドは大歓声。アナウンスの声もかきけされ、聞こえない。残り2周。遂にケンのマシンのエンジン油温に、警告灯が点る。だがケンは、アクセルを緩めない。ケンは、渾身の走りを見せる。いつか妹が言っていた、スーパーモード。そんなもの、ありはしないのに。だがしかし、ケンはマシンの限界を超えたスピードで、ハントのマシンを追い詰める。ここは、日本だ!母国グランプリなんだぞ!今行かなくて、いつ行くんだ!俺のエンジン!
ファイナルラップ。ケンは僅かにハントのマシンを抑えながら、コントロール・ラインを通過。次の瞬間、コントロールタワーの一番上、ポジション「1」にケンのカーナンバー#31が点灯する。「ウオォォォ~!」とばかり、異様な熱気に包まれる、富士スピードウェイ。しかし、ハントは手強かった。1コーナーエンドで再びケンをパス。トップに返り咲く。インフィールド、ヘアピン、そして、最終コーナー。ケンは変わらず、垂直にバンクをかけ上がる。そして一気に、急降下。スピードに勝るケンの目前に、ハントのテールが迫る。そして、「それ」は起こった。限界を超えて酷使された、ハントのエンジンがブロー!大量のオイルを浴びるケン。視界を奪われ、しかしアクセルは、緩めない。
右か?
左か?
賭けだった。判断を誤ればマシンは宙を舞い、ぺぺの二の舞となる。
「そのまま、真っ直ぐ」
ハンドルを切ろうとしたケンは、手の動きを止める。
「大丈夫。ハントは左に避けるわ。彼は紳士よ。壊れたマシンで、ブロックはしない」
ハンドルは、真っ直ぐ。
アクセルは、全開。
暗闇の中を、コントロール・ラインを通過。
そして。
割れんばかりの歓声。
巻き起こる、ケン・コール。
赤馬研、優勝。
日本人初の、ワールドタイトルを獲得する。
- 残り3週。ケンのマシンは、ハントのテールに食らいつく。ややタイヤの鮮度に勝るハントは、ケンを右に左にブロックする。最終コーナーから長い長い富士のホームストレートは、その飛び込みから勝負が始まっている。最終コーナーの飛び込みは、確かにケンの方が速い。だがしかし、ケンは大回りをするため、コーナー周回中にハントに離される。ホームストレート中程までは、ハントと横並びまでに、速さを見せるケン。だが、ホームストレート後半は、僅かにハントの方が速い。スタンドは大歓声。アナウンスの声もかきけされ、聞こえない。残り2周。遂にケンのマシンのエンジン油温に、警告灯が点る。だがケンは、アクセルを緩めない。ケンは、渾身の走りを見せる。いつか妹が言っていた、スーパーモード。そんなもの、ありはしないのに。だがしかし、ケンはマシンの限界を超えたスピードで、ハントのマシンを追い詰める。ここは、日本だ!母国グランプリなんだぞ!今行かなくて、いつ行くんだ!俺のエンジン!