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    • 2013/6/4 22:32
    • 赤いペガサス最終章2
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    • 日本グランプリ予選初日。相変わらずブリヂストンタイヤは神経質な挙動をみせるものの、カナダグランプリよりは粘りをみせていた。タイヤのゴム質が富士の路面にマッチしていること、気温が下がりタイヤの磨耗が抑えられること。この2つに気づいたケンは、タイヤを一度のみ交換する、ワン・ストップ作戦をチームに提案する。他方で、経験の少ない新しいチームメイト、パトリック・タンベイはタイヤ二回交換で一致した。初日のリザルト、ケン8番手、タンベイ11番手。二日目は初日より路面状況が良くなり、ケンは6番手のタイムを叩き出す。一方でタンベイは驚異的な速さをみせ、7番グリッドを獲得する。予選修了、決勝を控えた前夜。ケンの心に影を落としていたのは、最愛の妹、ユキが未だ行方が分からないことであった。眠れないケンはあてもなく町をさ迷い、気が付けばパドックを歩いていた。警備員もおらず、チームSVEのガレージには、明かりがついていた。ガレージに入るケン。車両保管所には、二台のレースカーが並んでいる。ケンと、新しいチームメイト、タンベイのマシン。コクピットに収まり、明日のイメトレをするケン。何気無く隣のマシンを見るとそこには。

      ぺぺが

      いた

      ぺぺは真っ赤な目をしていた。虹彩の無い瞳でケンを見ると、ゆっくりとVサインをする。直後、陽炎のように消えてしまうぺぺ。金縛りから解かれたケンは、かつてのぺぺのマシンに駆け寄り、中を覗きこむ。そこには、あるはずの無いモノが残されていた。ユキのウエディングドレス姿の写真。ぺぺが、入院中最期の瞬間まで、眺めていた写真。だが、あの写真はボクが、ぺぺの柩に入れたはず?
      自分と。ぺぺと。ユキと。写真と。Vサイン。ケンは一人呟いた。「わかったよ、ぺぺ。全てが、繋がった。」
      日本グランプリ、決勝。ケンはユキの写真をレーシングスーツのポケットに納め、ダミー・グリッドに着く。割れんばかりの歓声。今まで、他国のグランプリでは、気にも留めていなかったが。今日、この日だけは。全ての声援は、我が身に降り注いでいる。フォーメーション・ラップ。1コーナーで、ヘアピンで、最終バンクで。圧倒されるような声援。だがしかし。ケンの心は冷めていた。今この瞬間。一番応援して欲しい人。その人は、サーキットにはいない。今までは、どんなに人がいたとしても、その人の気配は気づいたのに。
      決勝が始まった。

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