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    • 2015/6/23 10:53
    • 紫の目のお人形さん part3[笑顔]
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    • 静かな病院のお部屋の中。
      ベッドの上でおとなしく寝ていた女の子は、窓の外からとてもまぶしい光が射し込んでいることに気付いて目を覚ましました。
      体を起こしてみると、女の子の前には、自分と同じくらいの大きさになった、キラキラとした光に包まれた紫の目のお人形さんが立っていました。

      女の子は、すぐにあのお人形さんだとわかりました。

      「私に、会いに来てくれたの?」

      嬉しそうな女の子に、紫の目を持ったお人形さんは笑顔で頷きました。
      そして、女の子の側まで行くと、そっと手を差し伸べました。
      なんだかとてもワクワクしてきた女の子は、その手をぎゅっと掴みました。

      すると、紫の目を持ったお人形さんは、女の子の手を引いて、星の輝く夜の空へと飛び出しました。

      海のように深い青に包まれた夜の空。
      キラキラ、キラキラ、静かな街を照らすたくさんの星たち。
      どこからともなく、楽しい音楽も聴こえてきます。

      「すごいすごい!とってもキレイ!」

      女の子は星と同じように、目をキラキラさせながら笑います。
      空のもっと高いところから、今度ははらはら、小さな白い粒が降ってきました。
      キレイで、冷たくて、でも、とってもあったかい気持ちになれて。
      そう、それはこの冬初めての雪でした。

      「冬の夜って、こんなにステキだったのね!
      お人形さん、ありがとう。
      私、がんばって病気なおすね!
      そしたら、また一緒に、こんなステキなお散歩しようね!」

      楽しそうに笑う女の子を初めて見た紫の目のお人形さんは、なんだかとっ嬉しくなって、ニッコリと頷きました。


      ―――――


      それから、何回も冬が過ぎました。
      ケースの中から、今日も紫の目を持ったお人形さんは外を眺めています。
      その日はお昼くらいから、初雪が降っていました。

      カラン。
      と、お店のドアが開く音がしました。
      入ってきたのは、一人の女の人でした。
      女の人は真っ直ぐにお店の奥の、紫の目を持ったお人形さんのケースの前まできました。
      紫の目のお人形さんは、その人の笑顔を、よく知っていました。

      「約束、ちゃんと守りにきたよ。
      また一緒に、お散歩にいきましょ!」

      紫の目を持ったお人形さんは、ニッコリと笑えたような気がしました。



      END

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