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- 2009/3/2 4:45
- 京都伏見稲荷大社様霊験記
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- さて、あなたに関する個人的な秘密を少し教えます。
それは、なぜあなたが白梅の花が大好きで、白梅の花の短歌ばかりを詠むようになったのかということです。それは全て私の影響によるものです。私は平安の世に白拍子として生きていましたが、白梅の花が大好きで、春には日々白梅の花を短歌に詠み、白梅の花の下で舞っていました。私が白梅の花ばかりを愛でるのを見ていた私の師匠の茜様が、私に白梅という名前を授けてくださったのです。私が阿古町様眷属として、あなたに付いたのは、檀之浦の数年前から、白梅の花が大好きだったあなたの母上が阿古町様にたびたび参詣し『お腹のこの子を終生守り給え』と願掛けした時からなのです。次女として生まれたあなたは、性格の穏やかな女の子で、あなたの姉上と共に、母上から稲荷之大神様や阿古町様の霊験を教えられて育ちました。あなたは姉上とは違い、熱心に信仰し、たびたび参詣したものです。麗しく成長したあなたは、私の影響で、やはり白梅の花を和歌に詠みました。その和歌は繊細で清らかで美しいものばかりで、今のあなたの短歌とほとんど同じでした。あなたの姉上は頭脳明晰で冷静で、よく事の理をわきまえる人でしたが、和歌はあまり得意ではなく、漢詩や物語ば
かりを好んで読んでいました。
さらに、話し始めると人の話を聞かず、自分のことばかり話す人でもありました。あなたはたおやかな女の子でしたが、姉上の頭の良さにはとうてい敵わず、たまに口論になると常に打ち負かされて泣いていました。とは言え、ふだんは仲の良い姉妹で、あまり健康ではなかったあなたを大切にし優しくしてくれたのです。さらに、いろいろな知識をあなたに授けてくれたのです。そんな姉上をあなたは尊敬していましたが、内心ひそかに秘め事として慕っており、当時としては異例のことながら、姉上に添い寝をせがみ、あなたは胸をときめかせながら姉上に優しく抱かれ、姉上の胸に顔を埋めて眠りについたのでした。その姉上とあなたが今生で数百年ぶりに再会した昭和55年の6月のあの日、すでに婚約者のいたあなたは、今生で初めて彼女を見た時に、切ないほどの懐かしさを感じ、平安時代からのご縁であることに気が付きました。その2年後、あなたは、かつての姉上に『あなたの胸に顔を埋めて安らかに眠りたいのです』という言葉で想いを告白し、ついに、かつての姉上と再婚したのです。
…つづく
- さて、あなたに関する個人的な秘密を少し教えます。