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- 2010/4/21 13:03
- 写メ偽神134
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- そこは、広大な湖であった。
中国で四番目に大きな淡水湖、太湖である。
無錫
この淡水湖で養殖真珠と三国志などの中国の映画撮影に使用されるロケ地三国城でまかなっている市である。
琵琶湖の四倍もある太湖の周りの小高い丘にも古い建物が造られていて、日本の映画村とは比べものにならないほど広大すぎるセットであった。
太湖には、三国志時代の船が浮かべてあり、湖上遊覧を楽しむ事ができるのである。
「ここが、太湖か」
キバは上空が見下ろしていた。
封印されし神の破片、我が身に馴染んでいても、まだまだ魂が欲しいとみえる」
砂糖に群がる蟻のような観光客を上空から見るや、キバは片手を太陽に向かって上げたのだった。
灼熱色に変化し始める片腕であった。
キバは、片腕に気を集中する。
片腕が太陽のコロナ状態に…片腕の所どころに太陽の黒点が浮かび上がった時…
太湖に向かって放出したのだった。
観光客は、気が付き始めていた。
異常な暑さを。
日本観光客の1人が空を見上げて言った。
「なんじゃあ…太陽が2つもあるがな!」
それを合図するかのように皆が空を見上げ始めたのだった。
「1つが異常に大きいぞ!」
「違う!こっちに、落ちてきよるがな…」
船で遊覧している観光客が船から湖に飛び込んだ。
ザァブーン
1人の飛び込みを引き金に船に乗っている観光客は、飛び込み始めた。
ザァブーン
ザァブーン
ザァブーン
泣き叫ぶ子供
あわてふためく老人
湖の中は、日本語・広東語・中国語・アラビア語・英語が飛び乱れていた。
「大丈夫だよ!」
船上に残されていた子供を抱きかかえて言ったのだった。
灼熱の玉が湖に落ちた。
水蒸気による水柱があがった。
灼熱の熱風が大地を走った。
蒸気を含んだ熱風に追い抜かれた人々は、蒸気火傷により、その場で息絶えたのだった。
湖は水が干上がり、スモーク状態の人々が湖底に転がっていた。
周りの建物は、熱風に耐えきれずに火災が発生していたのだった。
時間にして 数分。
その数分で無錫は、壊滅的な被害をうけたのだった。
「この魂、前菜としてもらい受ける」
そう言うとキバは、蘇州に向かって飛び去っていった。
バタン!
蒸し焼き状態の遊覧船の木板を蹴破り、子供を抱いた青年が出てきた。
「ナメタマネヲ…!」
青年は、カタコトの日本語で言ったのだった。
- そこは、広大な湖であった。