げむおばさんとモバ友になろう!
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- 2012/10/18 23:55
- 心変わり 6ページ目
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- 俺は、ふらふらと狭い我が家の壁に肩をぶつけて、その弾みに背中をつけてずるずると自分の姿勢を下げていった。
最後に、固い自分の尻の骨と、さらに固いコンクリートの床がぶつかって痛みとともに落下が止まった。
未だに自分の意識が自分の体を認めないなか、わざわざ自分の目に見る必要の無い無意味な光景を見せられる。
壁。
空。
足。
家。
人。
上下左右どれを見ても俺を孤独と再認識させてくる。
俺は、視線を下げて床を見回した。
コーラの缶だ。もらってからというもの、大事に飲んでいたのに一夜明かすと虫が湧いていたコーラだ。
その虫でも食おうかと思えるぐらい腹が減った。最近は水ばかりだ。
でも、今日は寝よう。寝れば、その間は空腹も和らぐ気がする。
俺は、固く冷たいコンクリートベッドに横倒しになった。
力が抜ける。体がもう動きたくなくなっている。
俺は、不思議と冴えて冴えて眠れる状況ではないはずの目を閉じて、寝ようとした。
ただまぶたを閉じて、寝たふりでしばらくすごしているうちに、何か違和感を感じた。
なにか、細く、芯のあるものが俺の体をちょんちょんとつついた。
「…?」
俺がまぶたを開けると、目の前には、見知らぬ若い女性がいた。
彼女は手にした大きめのメモ帳を開いて、俺に何かを書いて見せた。
『こんにちは。いきなり起こしてしまってすいません。お節介かもしれませんが、お仕事見つかって、お給料が入るまでなら、私の家に泊めてあげられますよ』
メモ帳にはそう書いてあった。彼女は、短い黒髪を揺らして、首を傾けて返答を待っていた。
身体障害者だろうか?耳でも聞こえないのか。
俺は、軽く会釈して彼女のメモ帳とペンを受け取った。
そして、こう書いた。
『あなたも私をばかにするのですか』
孤独でいい。そう思ったのだ。
彼女は受け取ったそれを見て、サラサラと返答を書いた。
『同情してほしいんですか?気取ってないで素直になってください。質問に答えてください。』
彼女のそれを見て、俺はまたメモ帳とペンを受け取って返答を書いた。
『助けて』
…俺は誰にも甘えられる立場じゃない。
素直になろう。
彼女は、それを見て、俺に笑顔を見せた。それも、なにか特殊な…。
不定期更新スマソ。続くぅ
- 俺は、ふらふらと狭い我が家の壁に肩をぶつけて、その弾みに背中をつけてずるずると自分の姿勢を下げていった。