!∞lupinusさんとモバ友になろう!
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- 2015/5/17 11:40
- なかったことにできない何か。
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- 小さいころによく遊んでいた2人の男の子の兄弟。
母の友人の息子。
兄は頭脳明晰で、冷静沈着、スポーツ万能、ハンサム。
弟は兄とは正反対。
いつでも笑いをとるようなふざけた印象のある男の子だった。
私はこの子に石を投げられながら追いかけ回されたことを忘れない。
ずっと忘れない。
私たちが大人になって、いつの間にか顔をあわせることがなくなった。
私は彼らの顔をすっかり忘れてしまった。
ある時、鬱病だった彼らの父親が事故か、
ジシか、曖昧な謎を残して彼らの前から居なくなった。
彼らと彼らの母親は悲しみに包まれた。
その頃から彼らはそれぞれがもつ悲しみを色濃く露呈するようになったと感じる。
まわりの大人だちは、葬儀で涙も悲しい顔も見せず淡々と振舞っていた兄がいつかジシという形をとるのではないかとひそひそと噂をしていた。
そんな危うさを彼は纏っていた。
ある日のこと。
息絶えていたのは弟の方だった。
自ら望み、選んだ形だった。
みんな信じられなかった。
あんなひょうきんで明るかった子が…
と口を揃えた。
そんなことがあってから、幾らかの月日が流れていった
私の母は、彼らの母親と未だに交流をもち、時々一緒に出かける。
そんな私の母は、お酒の席でとんでも無いことを彼らの母親に言ってしまったのだ。
「じさつはだめだよ」
私が許せないのは、そう言ってしまったことを「なかったことにしたい。」と何度も訴えるその姿、その声。
その時自分の中に湧き上がった気持ちを思い出すたびに、私はやはり母を憎んでいるのだ。と、どうしようもない気持ちになる。
なかったことに。
なんて魔法はないのですよ。
あなたの場合は、全て自分で選んだことでしょう。
何もかも。
- 小さいころによく遊んでいた2人の男の子の兄弟。