光熱斗さんとモバ友になろう!
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- 2011/10/7 13:44
- 涙の向こう側~心の傷を乗り越えて~第7話
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- 「い・・・今・・・何て・・・?」
聞き違いではないかと問いかけ直してみる
「このままこのベッドで寝ていいよ
気がついたばかりで、まだ無理して動かない方がいいよ」
聞き違いではなかった
熱斗はまだここにいていいと言った
「そんな・・・でも・・・僕・・・」
(これ以上ここには居られない・・・)
そう言おうとした
その時だ
「・・・・・・」
熱斗は男の子の口を軽く抑え、自分の唇の上に人差し指を立てた
『それ以上言っちゃダメ』
熱斗の行動全てがそう言っていた
その先を言わせてしまったら、また彼が自分を傷つけてしまう
熱斗はそう確信していた
「今は何も言わないで、何も考えないで、ただ休む事
いいね?」
「・・・・・・」
男の子は両手で布団を握りしめ、ギュッと唇を噛んだ
そして、再び震えだした
その目からは、また大粒の涙が溢れ出していた 今は顔を隠していないため、目から次々に涙がこぼれ落ちる
(なんで・・・この人はこんなに優しいんだろう・・・
なんで僕なんかに・・・こんなに優しくしてくれるんだろう・・・)
男の子の心の中で次々とそんな「なぜ」が浮かんでは消えていく
当然、人の優しさに触れた事がない彼自身で答えが出るはずはなかった
そして、何故か不意に怖くなってきた
このまま眠って、次の日に何をされるのか
どんな仕打ちが待っているのか
もちろん熱斗がそんな事をする人ではない事は今までの行動で分かっている
だが、男の子の過去がそんな恐怖を感じずにはいられないようにしていた
(・・・僕は・・・どうしたらいいの・・・)
答えが出ない問いかけを自分に投げかける
続く
- 「い・・・今・・・何て・・・?」