光熱斗さんとモバ友になろう！
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- 2011/9/21 0:34
- 涙の向こう側～心の傷を乗り越えて～第６話
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- （熱斗君・・・いつの間にこんなに大きくなったんだろう・・・
体も、そして何より心が・・・）
普段はどちらかと言えばロックマンには甘える事が多い熱斗
双子の兄、彩斗であるロックマン相手では無理もない
しかし、今の熱斗の行動は兄弟を、弟を思う兄の行動だ
そう、いつもはロックマンが熱斗に対してとっている、優しい兄の心遣いだ
（この子に何があったかは知らないけど・・・
でも・・・もうこれ以上辛い思いをさせたくない・・・ そして・・・）
心のなかで熱斗はそんな事を考えていた
男の子が号泣すること約１０分
「少しは落ち着いた？」
優しく熱斗が聞く
「・・・うん ・・・ありがとう・・・ごめんね・・・・ぐすっ・・・」
まだ涙声で男の子は言った
「謝らなくていいよ
何があったかは知らないけど・・・・
でも・・・オレはずっと味方でいる
約束するよ」
「や・・・やめて・・・そんな事・・・言われたら・・・
僕・・・また・・・涙が・・・止まらなくなっちゃう・・・」
熱斗の優しい言葉と、そして何よりその優しい表情に、
また涙が溢れそうになる
「いいよ 泣きたいなら思い切り泣いて
もう辛い涙は流さなくていいんだよ」
「・・・・・・」
男の子はもう何も言えなかった
そして無言のまま、熱斗に抱きついた
そのまま熱斗の胸に顔を埋め、震えていた
抱きつかれた熱斗は男の子の頭と背中に手を添え、優しく抱きしめた
（もう大丈夫だよ）
そう伝えるかのように
そして男の子は声を押し殺してまた泣いていた
熱斗の腕の中で
熱斗の胸に顔を埋めたまま
（こんな人もいるんだ・・・
こんなに・・・優しい人も・・・いるんだ・・・）
男の子はそう考えていた
物心ついた時から
「人の優しさ」というものに触れた事がない彼は、
そのあまりの暖かさに涙をこらえる事ができなかった
当然熱斗が彼の生い立ちを知っているはずはないだが、
その全てを受け入れてくれるような暖かさに、
文字通り救われた気持ちになる
だが・・・
（ここにずっと居られるわけじゃない・・・）
そう、近いうちに来るであろう別れの時の事を考えると、
また怖くなる
どんなに今が救われていようと
「とりあえず、このベッドで寝ていいからね」
（！？）
耳を疑った まだ居ていいと言うのか
意識が戻った今、ここにいられる理由はない
それでもまだ居ていいという内容の言葉を聞き、何も考えられなくなった
続く
- （熱斗君・・・いつの間にこんなに大きくなったんだろう・・・
