makiさんとモバ友になろう!
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- 2016/10/29 2:19
- 繋がりを考える 2
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おまえさん。
なんだ?
おまえさんは思ってもないことを言うときはいつもそう。
私の方を見やしない。
なぁーんもなくなった??
私がいるじゃないですか。
なんですか、金やら銀やら食べれもしないものを持っていかれたからって。
だいたいあれは元々あの人たちの物だったんですから、早かれ遅かれこうなることは分かっていましたよ。
畑の野菜まで持っていくとは思いませんでしたけど、今までしてきたことの償いとして、それで収まるなら良いじゃありませんか。
それに、宝物ならまだひとつ。
たからが?どこだ、どこにある??
あいつらぜーんぶ持っていかなかったのか??
ふふっ、しょうがないおまえさんだこと。
なにも金銀だけが宝物じゃないでしょうに。
なんだ??じゃあそのたからはどこに…
おまえさん、
今年の冬を無事に越えれば、
おまえさんはおとうになるんですよ。
な!!おまえ、そりゃ、そりゃあほんとうか!?
おれがおとうに??おとうになるのか??
そうですよ。
おれが…おとう…
そうですよ。
おれが…そうか、おれがおとう…
でも、こんななぁーんもなくなったところにうまれるのは、なんだかかわいそうだな。
そうか、いまからまた村へいって貯えれば…
おまえさん、もうやめましょう。
産まれてくる子に、同じ思いをさせては駄目。
おまえさんと私の子ですもの。
なぁーんもなくても、立派に育てて見せますとも。ねぇ、そうでしょうおまえさん??
夕日が海の向こうに沈む景色を宝物だって素直に言える、そんな子に育てますとも。
だから、もう少ししたら顔をあげて、畑を耕しに行きましょう。
なぁーんも無くなったところからまた始めましょう。
二人でならなんとかなります。
ね、そうでしょう?おまえさん。
………うん、うん。
三人になる喜びを、この鬼ヶ島で迎えるために、ね。
小学二年の国語の教科書に、≪わにのおじいさんのたからもの≫というおはなしが載ってるのです。
そこに出てくる鬼の子はとある理由から≪たからもの≫を知らずに育ってきたわけなのです。
しかし、その鬼の子は夕日の沈んでいく様を美しいと感じ、
それを≪たからもの≫だと理解します。
授業では≪たからもの≫はなにか、価値観や感じ方の違いを汲み取るようなことをしたらしいです。
が、私は鬼の子の背景のが気になって気になって。
鬼の子でも、人の子でも。
育て方ひとつでどうとでもなる。
優しい娘に育てたいものです。