紫苑さんとモバ友になろう!
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- 2012/8/21 0:25
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- 僕の頬を突然なにかが濡らした。
絶え間なく僕に降り注ぐ'それ'を焦れったく思いながらゆっくりと歩き始める。
「「ここは何処で、いま僕は何年何月何日で何時何分の地球上にいるのだろうか?いや、地球じゃないかもしれないな。」」
騒音に紛れながら聞こえる微かな音の根源へ僕は誘われるように辿り着いた。
「いまは梅雨か。」
陽気そうなアナウンサーが梅雨入りの発表をしていた。
―どん。
鈍い痛みが僕の脇腹を襲う。
「あ、すいません!」
「大丈夫ですよ。」
そう言いながら僕は満面の作り笑いをする。それに安心したのか男は安堵の表現を浮かべると、隣にいた女と仲良さ気に歩いて何処かへ行ってしまった。
「痛い..」
僕は脇腹を擦りながら呟いた。
「「先程の男の反応からして恐らく僕は日本にいるようだ。」」
忙しなく行き交う人間たちを眺めながら僕は呑気にいまいる世界を理解し始める。
「お。」
運が良いのかはよくわからないけれど、右腕にあるデジタル時計を僕は発見した。この時計の標示があっているならば、僕は'5月11日11:53'の世界にいる。
「「さすがに西暦まではわからないよな..」」
そんなことを思いながら深い溜め息をつく。
「ぶぅぇっくし...風邪か?」
僕は両手で左右の腕を同時に擦り摩擦熱で寒さを和らげようと頑張ってみたが、無駄な努力だと悟りすぐに諦めた。
「うわ、服びしょ濡れじゃん。これじゃ風邪も引くよなぁ。」
ようやくそんな状況に気付いた僕に僕は苦笑する。
「「とりあえず帰ろう。」」
呑気に僕はまた歩き出した。
-2-『リンク:些細なお願い(ぇ』
- 僕の頬を突然なにかが濡らした。