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    • 2013/2/25 2:04
    • 青薔薇姫⑧
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    •  ――ドサッ
       人が倒れるような音に、柳は振り返る。そこには口元から一筋、血を流した姫の姿が。その細い首に、大橋が注射針を刺していた。
      「き…貴様―――ッッ!!」
       しかし、柳が動く直前、大橋の口から大量の鮮血が溢れた。
      「ふ…っ。わ、喚かなくて…いい。娘はすでにウイルス、に感染して…免疫機能の暴走が始まっ…ていたが、薬を打った、から大丈夫…。最後の、薬を…」
      「大橋…」
      「やっと… 輝彦に、会える…」

       柳は、大橋の亡骸の横で倒れていた姫を抱きしめた。
      「姫様…。お辛い思いをさせてしまい、申し訳ございません…」
      「…ん、柳…」
      「もうすぐ、迎えのヘリがこちらに到着します」
      「ねぇ…柳…。私、この国を…世界を変えたい。差別や争いのない、平和な世界に…。とても大変だと思うけど、一緒に戦ってくれる…?」
      「…柳は、何があっても、世界を敵に回しても、姫様の味方です。柳は姫様と共に戦います。これからも、ずっと一緒です…!」


       ――ダイヤモンドが軋むような地響き。
       柳家の当主、すなわち柳の祖母は、自身の名前の力を解放し、超能力者の存在を、国家の記憶から拭い去った。
      (我が孫よ…。わしは、考え違いをしておったようじゃの。お姫様(ひいさま)が、求めておいでなすったのは、地球丸ごと一個分の幸せじゃった。家一個分なんぞではなく。剣となり、盾となって、お姫様をお守りするのじゃよ。もう、二度と離れるでないぞ…)

       名前の力を解放した者は、代償として、記憶を失うという。
      だが中には、強い思念により一切の記憶を失わなかった者の話も、聞いた事がある。

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