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    • 2019/11/4 13:42
    • 金木犀~幕恋10周年イヤー
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    • 私が淹れたお茶を飲み母が言う。

      「あなたが淹れるお茶はいつも濃いわね。」と。

      「そして、とても苦い。」とも。

      私は素知らぬ顔をして答える。

      「そお?」



      私は母に気付かれないようにそっと視線をそらす。

      ・・・だって、仕方がないじゃない。

      私はずっとあの人のそばでそうやってきたのだから。

      私はテラスから裏庭へおりてある場所へと向かった。

      かき色の小さい花がたくさんついているあの木のもとへ。

      大好きな花の香りを嗅ぐために。








      =薩摩藩邸=

      私はよくこの木の前に佇んでいた。

      ここは私の一番お気に入りの場所であり、この香りに包まれていると現世に帰ったような気になっていたからだ。

      ここにいると何故かこの時代と現世とが繋がっているようなそんな錯覚を覚え、たとえ離れていようとも心穏やかな気分になった。

      そんなことはないと頭ではわかっているのに。


      この時代にも慣れ楽しい時間が流れていても、時折両親や兄や友人たちが恋しく思うことがある。

      その時はこうやってこの木の前でただぼんやりと体を委ねてみる。

      それだけで不思議と落ち着く。








      「・・・おい、おい小娘!!」

      呼ばれてハッと我に返って振り向くとあの人が立っている。

      私の表情を見るなり呆れた顔をしてこう言った。

      「全く、姿が見えぬと思ったらやっぱりここか。

      何だ、その吹抜けた顔は?」

      「ふ・・・、吹抜けてなどいません。

      私はいつもこんな顔です!!」

      「ほお、ではいつも吹抜けているのだな(笑)」

      くっ、相変わらず嫌味な人だ。


















      でも、今はもうその嫌味を聞くことすらできない。

      私がどんなに望んでも願っても叶うことはないのだ。

      それは、永遠にずっと・・・・・。



















      =あとがき=

      お久しぶりです。
      色々あってやっと投稿できました。
      今月は10周年なんですね。
      前もってもっと準備できたはずですがこんな状態で真に申し訳
      ありません。
      できる限りのことはやりますのでお付き合い頂けたら幸いです。



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