KoーIさんとモバ友になろう!
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- 2011/4/6 20:09
- ねぇ、ねぇ… 1
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- ある夜、ふと気配を感じ、目が覚めた。
天井近くに、白くぼんやり光ものが浮かんでいた。
目を凝らして見てみると、白い顔をした女の頭だけがぷかぷか浮いていた。
ぎょっとして、体を起こそうとするが、動かない。
目を閉じたくても、何故だか閉じることができない。
冬だというのに、脂汗が滲んできた。
その女は、無表情のまま、目だけを動かして部屋をきょろきょろ眺めていた。
こっちを見ないだけ、救いだった。
固まったまま、どうすることもできず、女を見つめていると、急にこっちを見てつぶやいた。「どこ?」
何が何だかわからない。
何を探しているんだ。
俺の部屋に何かあるのか?
さっぱり見当もつかない。
震えていると、浮かんだ顔が、ずいっとこっちへ近づいた。
すぐ目の前、息がかかるほどの距離で、
「ねぇ、どこ?」
目を見開き、口をかっと開けたその表情に恐怖が増し、とっさに、
「今はない!」
と、答えた途端、意識を失ったのか、気がつけば朝だった。
夢とは思えない感触に、震えは止まらず、すぐに家を出て、友達のAの家に行った。
そのままAの家に泊めてもらおうかと思ったが、その日は良くても、次の日家に帰って出たらどうしようと不安になり、結局Aに、うちに泊まってもらうようにした。
夜更けまで話をして気をまぎらわしていたが睡魔には勝てず、いつしか眠ってしまっていた。
再び、あの気配がして目を覚ました。
いた。
俺の上ではなく、Aの上に。
Aの顔を覗き込み、じっとしている。
Aは気付かず眠っているようだった。
がたがた震えながら目を逸らすこともできず凝視していると、ふーっとこっちへ寄って来て目の前で、「違う。ねぇ、どこ?」
息がかかるのがわかる。
「今はない!」
また気を失ったようで、Aに起こされて、目が覚めた。
夕べの話をしても、Aは何も感じなかった、夢だろうと笑った。
俺にはそう思えなかった。
心当たりは何もない。
部屋にはたいした荷物もないし、何を探しているのかさっぱりわからない。
今日も泊まっていってくれとAに懇願したが、用事があると断られた。
仕方がないので別の友人Bに、泊まりに来ないかと電話をかけた。
結果は同じだった。
Bの顔を覗き込み 「違う。ねぇ、どこ?」
「今はない」
俺は意識を失う。
恐くなった俺は、友人Cのところへ泊まりに行った。
部屋を替えれば何ごとも起こらないだろう。
友人Cは快く泊めてくれた。
- ある夜、ふと気配を感じ、目が覚めた。