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- 2012/8/3 18:45
- わらしべについて
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- 同等以上とかただのトレ
【物語】昔、ある一人の貧乏人がいた。貧乏から何とかして逃れようと観音様に願をかけたところ「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」とお告をもらった。男は観音堂から出るやいなや石につまずいて転び、1本の藁に手が触れた。
男はお告げ通りその藁しべを持って進んでいった。ところが顔の周りを、アブが飛び回り、煩くて仕方が無い。そこで男はアブを捕まえると、藁の先に結び付けてやった。
すると傍で大泣きしていた男の子がアブが結び付けられた藁を面白がり欲しいと言って来る。男は観音様のお告を信じて譲ろうとしないが、男の子の母親が「蜜柑と交換しよう」と申し出てきたので、藁を男の子に譲り代わりに蜜柑を受け取った。
さらに歩くと喉が渇き苦しんでいる商人がいた。彼は男が持っていた蜜柑を欲しがり持っていた上等な反物との交換を持ちかけてきた。男は蜜柑を譲り、反物を手に入れた。
一本の藁が上等な反物に代わったと喜んでいた男は、侍に出会う。その侍は愛馬が急病で倒れてしまったが急いでいるため馬を見捨てなければならない状況にあった。侍は家来に馬の始末を命じ先を急ぐ。男は侍の家来に反物と馬の交換を迫る。家来は反物を受け取りそのまま侍の後を追っていく。男が水を汲んで馬に飲ませたところ馬は元気を取り戻して立ち上がった。男は馬に乗り、旅を続けた。
道を進んでいくと大きな屋敷に行き当たった。ちょうど旅に出かけようとしていた屋敷の主人は男に屋敷の留守を頼み、代わりに馬を借りたいと申し出る。主人は3年以内に自分が帰ってこなかったらこの屋敷を譲ると言い出し、男は承諾し主人は馬に乗って旅に出発した。
3年待っても5年待っても主人が旅から帰ってくることは無かった。こうして男は屋敷の主人となり、裕福な暮らしを手に入れることができた。
【概要】今ではわずかな物から物々交換を経ていき最後に高価な物を手に入れることに対する比喩に使われる例が多いが、作品の舞台である近代以前の一物一価の法則が成立しなかった段階においては、主人公の取引行為はいずれも高価なものを入手する動機はなく需要と供給の均衡の上に成り立った等価交換を繰り返した結果として富の上昇がもたらされているという点に注目する必要がある。これを裏付けるように原話の結末は馬と田を交換して地道に農作物の収益で豊かになると言うものであり、そこに価値の飛躍は見られない。
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