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- 2009/12/18 4:23
- 怪盗ロワイヤル~明日へ~
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- この世には2通りの人間がいる。大切なものを失ったとき、その絶望から朽ちてゆく者、または強く生きる者。今、大切な友を失った彼らが進む道は…。
第⑨話 明日へ
100歳じじぃ『あ゛あぁぁぁあああ』
悲しみ、憎しみ、そして自分の弱さに ただひたすら泣き叫んだ。チョビもまたうつむきながら涙を流し続けた。 しかしそんな彼らに ロボット達の攻撃は容赦なく続いた。
ドドドドド
チョビ『くそっ優一文字
ここから逃げるぞ
』
しかしじじぃは敵の銃弾が頬をかすめようとも、SAを抱き抱えたまま泣き続けるだけだった。もはやなにも考える事ができなくなってしまっていたのだ。
チョビ『おいっ立てっ
しっかりしろー
』
100歳『え…SAが…SAが…』
チョビ『おい優一文字ーここでくたばってSAが喜ぶのか
あいつは…あいつはなぁ…最後まで…最後の最後まで諦めなかったんだぞ
…くっ…』
震えた声と再び溢れ出す涙。チョビの頭にはSAが死ぬ間際に見せた強い意志が焼き付いていた。それと同時にチョビも辛くて仕方がなかったのだ。
チョビ『だから…頼むよ…あいつの…俺たち3人の夢…かなえようよ…うっうぅぅ…』
うつむいた顔はあがることなくチョビは膝をつき崩れ落ちた。
100歳じじぃ『チョビ……』
そんなチョビの想いがじじぃに届き我に返ると、じっとSAを見つめる。
初めて2人と出逢った時のこと、共に戦い続けた数十年、3人で誓った夢…そしてSAが教えてくれた諦めない強い心…それを思い出していた。じじぃは小さな声でささやく。
100歳じじぃ『ありがとう…』
そう言うとじじぃは立ち上がった。その時のじじぃはとてもたくましい表情をしていた。
100歳じじぃ『チョビいくぞっ
』
チョビ『ゆ、優…あぁ、行こう俺らはこんなところで終われない
』
泣きながらではあったがチョビの表情に笑顔がもどった。
チョビ『もう、おとりどうこう言ってる場合じゃねー二手に別れて逃げるぞ
』
100歳じじぃ『一か八かってことか…でも、最後まで諦めるなだろ?』
チョビ『あぁお前は絶対逃げきれるから大丈夫だ
ただ…決して後ろを振り向くな
とにかく全力疾走だ
いいな
』
100歳じじぃ『了解チョビこそつかまんなよ
』
チョビ『俺を誰だって思ってんだ』
2人は優しく微笑んだ。そしてじじぃは走り出した…振り返ることなく、ただひたすら…。
第⑨話 終わり
- この世には2通りの人間がいる。大切なものを失ったとき、その絶望から朽ちてゆく者、または強く生きる者。今、大切な友を失った彼らが進む道は…。